【社説】「大統領夫人キム・ゴンヒ特検法」が政治扇動だという尹大統領
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が7日の記者会見で、「(尹大統領夫人)キム・ゴンヒ特検法」について、「三権分立体系の違反」だとし、再び拒否する意向を明らかにした。「どの事件を捜査するか、どの検事に担当させるかは、すべて行政権の固有の権限」だとし、野党による特別検察官の推薦を「政治扇動」だと非難した。尹大統領自身が捜査チーム長として参加した「朴槿恵(パク・クネ)国政壟断」特検がまさに野党が特別検察官を推薦した代表的事例なのに、何という荒唐無稽な主張なのか。 尹大統領は先日国会の法案小委を通過した3回目の「キム・ゴンヒ特検法」を受け入れるかどうかを問う質問に、「国会が事実上特別検察官を任命し、膨大な捜査チームを設ける国はない。三権分立体系に反するためだ」と述べ、拒否権を行使する意思を明確にした。さらに「大統領と与党が反対する特別検察官を任命すること自体が基本的に憲法に反する発想」だと述べた。詭弁だ。基本的に特検とは、行政府への信頼が低下し、「独立的な捜査」を必要とする時に進めるものだ。これまで国会で可決された14件の特検法のうち、対北朝鮮送金(2003年)、BBK(2007年)、内谷洞(ネゴクドン)の私邸(2012年)、セウォル号(2020年)の特検は、与野党の合意に至らなかった。「対北朝鮮送金特別法」は当時与党だった民主党が退場した中でハンナラ党や自民連など野党が可決させた。「内谷洞特検法」も与党セヌリ党の反対にもかかわらず可決された。当時、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と李明博(イ・ミョンバク)大統領は拒否権を行使しなかった。 尹大統領が検事時代に参加した「国政壟断特検法」も、当時与党であるセヌリ党の特別検察官の推薦権を排除した。チェ・スンシル氏が憲法訴願を出したが、憲法裁判所は合憲決定を下した。「特別検察官候補の推薦権を誰に与え、どのような形で任命するかに関する事項は、国会が立法裁量に基づき決める事項」という裁判官全員一致の決定だった。尹大統領の言う憲法は一体どのような憲法なのか。 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )