実写版の前にアニメ『はたらく細胞』をおさらい 花澤香菜、長縄まりあ、石田彰らの名演
人間の体内に存在する約37兆個の細胞たちを擬人化し、そのはたらきぶりを描く……という異色の設定によって大ヒットしたマンガ『はたらく細胞』。12月13日より、同作を原作とした実写映画の公開がスタートする。 【写真】『はたらく細胞BLACK』のポスタービジュアル そこで今回は、これまで制作されてきたアニメ版の魅力について紹介していきたい。実写映画版をより深く楽しみたい人は、アニメにて先に予習、復習を済ませておくのもいいのではないだろうか。 ●「赤血球」花澤香菜×「白血球」前野智昭が彩る体内活劇 TVアニメ『はたらく細胞』の放送が始まったのは2018年のこと。同作は社会現象クラスのヒット作となり、その後2021年に第2期『はたらく細胞!!』が放送された上、原作のスピンオフ作品もアニメ化された。 作中では人間の体内で忙しなく働く細胞たちの姿を通して、病気や免疫などのメカニズムが分かりやすく描かれている。たとえば第1期の第1話では「肺炎球菌」をテーマに、白血球たちがどのように細菌から身体を守っているのか……というエピソードが展開された。 ほかにもインフルエンザやスギ花粉アレルギーなど、身近な体調不良が題材となっており、体内の仕組みを楽しく学ぶことができる。実際に一部の学校では、同作が教材として活用されることもあるという。 とはいえ同作最大の魅力といえば、なんといっても個性豊かなキャラクターたちの活躍だろう。たとえばメインキャラの1人である白血球(好中球)の「1146番」は、服装も肌も真っ白な青年。『原神』の鍾離役や『図書館戦争』の堂上篤役などで知られる前野智昭が声優を担当していることもあり、クールな言動がさまになっている。 しかしその性格はかなり仕事熱心かつ好戦的で、血まみれになることも厭わずウイルスや細菌を駆除していく。さらには周囲の細胞がドン引きするほどの殺戮ショーを繰り広げることも。 その一方、もう1人のメインキャラとして登場するのは、酸素と養分を体内に届ける配達員・赤血球の「AE3803」。花澤香菜の癒し系ボイスが魅力的であるものの、新米のドジっ子で迷子になることも多く、もし自分の体内にいたら……と思わず不安になってきてしまう。 ●一躍人気を集めた「血小板」長縄まりあの癒しボイス そのほかの脇役も個性派ぞろいだ。体内の異物を破壊するキラーT細胞はマッチョな肉体をもち、さながら軍人のよう。小野大輔の声で「俺達無敵のT細胞、ウイルス細菌ぶっ殺す~」などと物騒な掛け声をあげながらランニングする様子は、強烈なインパクトがある。 また、マクロファージは細菌などの異物を始末する役割で、“掃除屋”と称されている。エプロンドレスを身に付けた大人のお姉さん風の見た目で、いつも笑顔でやさしい雰囲気を醸し出しているのだが、細菌相手には一切容赦なし。大きなナタを容赦なくふるい、返り血を浴びるというギャップを見せ付けてくる。 ちなみに声優を担当しているのは井上喜久子で、おっとりとした声の裏に“強者感”を秘めているところがハマリ役だと感じさせる。 他方で、細胞たちのなかには癒し系キャラクターも。その最たる例と言えるのが、傷口を塞いで止血する役割を持つ血小板だろう。それぞれが幼い少女のような見た目で、チーム一丸となってけなげに働く様子にはほっこりさせられる。なかでも血小板たちを先導する通称“リーダーちゃん”の人気は圧倒的で、声優を担当する長縄まりあのボイスも中毒性が強い。