せっかく医療痩身を受けても効果が半減するNG行動とは?【医師解説】
医療痩身の施術後にやってはいけない行為とは?
編集部: 医療痩身でもリバウンドすることはあるのですか? 江越先生: 一般的に、医療痩身はリバウンドしにくいと言われています。 そもそもリバウンドの原因は「脂肪細胞が肥大化する」ということが多く、食事制限や運動による通常のダイエットでは一時的に脂肪細胞を小さくしても、また不摂生に戻れば脂肪細胞はあっという間に肥大化してリバウンドします。 しかし、医療痩身では薬物や機器、手術などにより脂肪細胞の数そのものを減少させます。そのため本来ならリバウンドしにくいのです。 編集部: では、一度痩せたらもう太らないということでしょうか? 江越先生: いいえ。残念ながらそういうわけではありません。たとえば、脂肪吸引の治療をしたあとに暴飲暴食をすると、皮下脂肪は治療で減っても今度は内臓脂肪が増え、糖尿病や高血圧、心筋梗塞、脳梗塞などのリスクが高まるというエビデンスがあります。 そのほかの治療でも、再び不規則な生活に戻ればリバウンドの危険性があります。そのため、医療痩身が成功したあとも、食事に気をつけたり、定期的な運動をしたりすることが大切です。 編集部: 医療痩身で痩せても、その後も健康的な生活を維持する必要があるのですね。 江越先生: そうです。確かに医療痩身は非常に優れた効果がありますが、それだけに頼ってしまい、生活習慣を堕落させるのは良くありません。せっかく医療痩身を受けてもその効果を半減させてしまいますから、きちんとした生活習慣を維持するようにしましょう。 編集部: 最後に、読者へのメッセージがあれば。 江越先生: 医療痩身は確かに効果の高い治療法です。脂肪細胞を減らすことができますし、一般的なダイエットに比べてリバウンドの確率も低くなります。しかし、本当に変えなければならないのは、生活習慣。 以前のように暴飲暴食をしていたり、まったく運動をしなかったりしては、せっかく医療痩身で痩せても再び太ってしまうかもしれません。だからこそ、医療痩身で脂肪を減らすだけでなく、食事や運動など生活習慣を整え、ご自身のマインドを変えることが大切なのです。 当院では認知行動療法といって、精神療法を取り入れたダイエットコーチングを行っています。なぜならただ痩せるだけでなく、患者さんの人生を豊かなものへ導くことが私たちの使命だと考えているから。一般に、簡単な習慣なら66日で身につくと言われています。 医療痩身に取り組みつつ、約2ヶ月かけて、たとえば「朝歯磨きをするときにスクワットをする」「週1回だけでも、1駅手前で降りて歩く」など少しでも良い習慣を身につけ、人生をより豊かにしていただきたいと思います。