新証言「普通ではない雰囲気」 自宅や車から数十本の刃物 地域の不安残る“異例”の冬休み初日【福岡発】
冬休みに入った多くの小中学校。北九州市では中学生殺傷事件の容疑者逮捕後も不安が根強く、警察は今後も警戒活動を続けることにしている。 【画像】中3殺傷で新証言「普通ではない雰囲気だった」 容疑者の車と自宅から刃物数十本押収 地域の不安残る“異例”の冬休み初日【福岡発】
冬休みにもかかわらず公園は閑散
12月24日朝、北九州市小倉南区の公園。市内の公立小中学校では、この日が冬休み初日。しかし、公園で遊ぶ子どもたちの姿は疎らだった。 公園の掃除をしていた地域の住民は「容疑者が逮捕されて、その後、子どもたちがボチボチ来だした。まだね(完全にはもどっていない)。当初に比べたら、なんぼか数が減っている。やっぱり怖いやろう。子どもがいて賑やかな方がいい」と話していた。容疑者逮捕後も街から不安は消えていない。
黒いサンダル姿でタクシーに乗車
12月14日の夜、北九州市小倉南区のマクドナルドでともに塾帰りだった中学3年の中島咲彩さんと男子生徒が刺され、中島さんが死亡した事件。 現場で取材を続けると逮捕された平原政徳容疑者(43)の事件前の行動が浮かび上がってきた。事件発生の4日前、平原容疑者を客として乗せたというタクシー運転手が、そのときのようすを憶えていたのだ。自分のタクシーに客として乗せた人物が、凶悪な事件の容疑者だと知って、運転手は「鳥肌が立った」という。 「(乗せたのは事件が起きる)4日前、12月10日。服装はジャージっぽい感じ。黒いサンダル。指が見えるタイプの。(この時期にサンダル姿で)余計に覚えている」と運転手は話した。 犯行当時は「黄色い」サンダルを履いていたとみられる平原容疑者。この日は「黒い」サンダル姿だったという。 「ホームセンターに迎えに行ったら、(容疑者が)大きい荷物を2つほど持っていた。スタンドタイプのライトが2つ。喋り方が端的というか、無駄なことを一切喋らなかった」と運転手は証言した。
「普通の人じゃない雰囲気」
平原容疑者は、買ったばかりのライトを手に乗車。口数は少なく酒の臭いがしていたという。 さらに自宅に戻る途中で、ドラッグストアに寄ってほしいと依頼されたという。平原容疑者は、ドラッグストアで何を買ったのか?「2袋。思いっきりパンパンの状態で2袋買って、両手に持って出て来た。薬なのか、何なのか。ほぼほぼ同じような商品を買い込んでいる感じでした」と運転手は記憶している。 ドラッグストアで大量に購入した物は一体、何だったのか。その後、平原容疑者は自宅前でタクシーを降りたという。当時の印象について運転手は、どんよりとした、普通の人じゃないような雰囲気があったと話す。平原容疑者は、タクシーに乗った当時から異様な雰囲気を放っていたというのだ。
車や自宅から数十本の刃物押収
捜査関係者は平原容疑者の身柄確保について「第二の凶行を起こさせない」ため当初の予定を1日早めたと明らかにした。 また、捜査関係者によると、容疑者の車や自宅から押収された刃物は、合わせて数十本に上ることが新たに判明した。男子生徒の証言と一致する刃物のほか、模造刀など、さまざまな形状のものも見つかったという。捜査本部は、平原容疑者が多数の刃物を集めていた経緯についても詳しく調べている。 取調べでは激高することもあるという平原容疑者。最大の疑問である動機は、いまだ明らかにならないままだ。 (テレビ西日本)
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