<Play・Hard>磐城 選手紹介/15止 鈴木隆太選手(1年) 菅波陸哉選手(2年) /福島
◇定位置争いへ練習重ね 鈴木隆太選手(1年) 昨秋の公式戦の背番号は「19」。「単純に考えたら自分がベンチに入れない」。センバツ出場が決まった日から、誰よりも危機感を持っていた。 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 練習が終わると、1人黙々とバットを振り、壁に向かってボールを投げた。「誰よりも練習が必要で、結果を残さなければいけないことは、自分が一番分かっていた」 頑張る理由は、中学時代の苦い思い出にある。最後の試合の1カ月前、練習中に左手首を骨折した。試合に出られず、悔いが残った。「このままでは終われない」と諦めきれない思いを胸に磐城に入学。けがをしないよう、練習後のケアを入念に行っている。 今後は、打撃を武器にしたいと意気込む。練習のペアには岩間涼星主将(2年)を指名し、自分が理想とする「ボールに対して素直に打ち返す打撃」を学ぶ。守備では一塁手の先輩、小川泰生選手(2年)に助言をもらいながら、「教わったこと以上のことを盗みたい」と定位置争いに名乗りを上げる。 どんな場面でも、積極的に声を出し、チームを鼓舞することが得意。「試合に出られるかは分からないが、周りの選手たちへの気配りと、全力発声でベンチを盛り上げていきたい」 ◇仲間支える役割果たす 菅波陸哉選手(2年) チーム一の大食いで、好きな言葉は「食べ放題」。食べて鍛えた体で長打を放つ。打撃には自信があり、2月の紅白戦で1試合2本の二塁打を記録した。 磐城に入学し、本気で日本一を目指す意識の高い仲間に出会った。「ただ野球を楽しんでいた中学の部活動とは違い、自分で今何が必要かを考えることが求められる日々は、刺激的」と自身の成長を実感する。 小中学時代は捕手。高校入学後、外野手へ転向した。「特別肩が強いわけではないけれど、送球技術は生かされている」。新しい守備位置で戦おうと、同じ外野手で同級生の竹田洋陸選手(2年)らと切磋琢磨(せっさたくま)してきた。 今回、甲子園のベンチメンバーに入ることはかなわなかった。発表直後は、チームメートとの距離を感じ、そっと輪から離れることもあった。それでも仲間たちは、いつも通り接してくれた。少しずつ元の会話に戻ることができた。「みんながプレーしやすいように、自分にできることをやりたいと思った」 「甲子園で優勝するという目標はみんなと同じ。変わることはない」。当日はボールボーイとして、仲間たちとともにグラウンドに立つ。「チームが勝てるように、練習しやすい環境作りに徹するのが自分の役割。全力でサポートしたい」と力強く前を向く。=おわり ……………………………………………………………………………………………………… ◇鈴木隆太選手(1年) 身長165センチ、体重73キロ▽いわき市立平第二中学校出身▽一塁手▽右投げ右打ち▽長所は全力疾走・全力プレー・全力発声▽得意教科は数学 ……………………………………………………………………………………………………… ◇菅波陸哉選手(2年) 身長167センチ、体重72キロ▽いわき市立大野中学校出身▽右翼手▽右投げ右打ち▽長所は打撃▽得意教科は国語、日本史