老後の資金どうしてる?「何もしていない」の回答、最も多い先進国はどこ?
就労の継続を希望する理由は、日本と米国は「収入が欲しいから」が最も高く、ドイツとスウェーデンは「仕事そのものが面白いから、自分の活力になるから」と回答。日本はほかに「働くのは体によいから、老化を防ぐから」(24.8%)、「仕事を通じて友人や仲間を得られるから」(7.1%)が他国より高い数値になっています。就労に関する回答割合の差異に「仕事に求めるものの違いが表れている」、と白書は分析しています。
「経済的な意味で日々の暮らしに困っていない」日本は77.5%
では、経済面で生活に困っている高齢者はどのくらいいるのでしょう。「経済的な意味で、日々の暮らしに困ることがあるか」という質問に対し、「困っていない」、「あまり困っていない」と答えた割合は、スウェーデン(87.3%)が最も多く、次いで日本(77.5%)、ドイツ(77.0%)、米国(68.3%)となりました。 合わせて、「総合的にみて、現在の生活に満足しているか」尋ねたところ、「満足している」、「まあ満足している」の回答は、こちらもスウェーデン(97.1%)が最高で、以下、米国(95.2%)、ドイツ(91.9%)、日本(88.3%)となり、どの国のお年寄りもほぼ日常の経済状況で困ることはなく、約9割が現在の生活に満足している様子がうかがえます。
「相談、世話をする親しい友人がいない」日本が25.9%と最多
一方で「ふだん、近所の人とは、どのようなお付き合いをしているか」という質問では、日本、米国、スウェーデンは「外でちょっと立ち話をする程度」に対し、ドイツは「お茶や食事を一緒にする」が最も多くなっています。「相談事があったとき、相談したり、相談されたりする」の割合も、最も高いドイツは半数近くに達し、スウェーデン、米国も約3割となっていますが、日本18.6%と低くなりました。また「病気の時に助け合う」の回答も、ドイツと米国は約3割ですが、日本は最も少ない5.9%にとどまっています。 さらに、「家族以外の人で相談し合ったり、世話をし合ったりする親しい友人がいるか」尋ねたところ、「いずれもいない」割合が、日本は25.9%で最も多く、次いでドイツ(17.1%)、米国(11.9%)、スウェーデン(8.9%)という結果でした。 日本では、1人暮らしの高齢者世帯が増加傾向で、白書では約25%(2014年)を占めている、と述べています。加えて、調査対象国の中で、近所付き合いがあまりなく、相談できる友人がいる割合が最も低い様子が浮き彫りになったことから、地域社会から孤立しない取り組みの必要性を指摘しています。