外浦の動脈、往来可能に 輪島・国道249号
●復旧道路、供用へ「新たな景観、震災遺構に」 能登半島地震で通行止めが続く国道249号で、輪島市大川浜周辺の復旧道路の盛り土が完了し、車両が通行可能になった。輪島の外浦を結ぶ動脈が行き来できるようになり、復興に弾みがつく。北國新聞社は16日、国土交通省の許可を得て現場を初めてドローンで撮影した。現地を視察した坂口茂市長は「地震で生まれた新たな景観を震災遺構とし、復興に役立てたい」と強調。隆起海岸を観光資源として生かす。 【写真】復旧道路の岬近くから隆起海岸を一望する坂口市長 ●本社がドローン撮影 大川浜周辺では、元日の地震で大規模な土砂崩れが発生。国交省能登復興事務所が輪島市渋田町―町野町大川間約2・8キロの「大川浜工区」で復旧道路の整備を急ピッチで進め、15日に盛り土が完了した。 能登復興事務所は路面の舗装や高波防止など安全対策を施した上で、できるだけ早期に地元住民や復旧事業者などを対象に通行止めを解除し、輪島―町野間の往来を再開させる。 杉本敦所長は「盛り土が終わり、ようやく開通できる形になった。1日も早く供用できるよう引き続き工事を進めたい」と語った。 ●隆起海岸一望、市長「地形変化体感を」 坂口市長は16日、大川浜の復旧道路を走行した。岬近くの広場で一帯を望み、「地震はこれまで見ることができなかった景色を生み出した。多くの人に地震の影響の大きさ、地形の変化を体感してほしい」と語った。 復旧道路の中ほどにある標高約40メートルの岬からは、地震前の2倍以上に砂浜が広がった大川浜が一望できる。 岬から東へ約1・5キロ続く大川浜は、昨年まで波打ち際から50メートルほどの幅だったが、隆起して海側に100メートル以上拡大した。岬は盛り土に使うため一部が切り崩され、工事用車両が転回できる広場が整備された。