トランプ氏再選で最高値を更新したNYダウ 株高の影響は米国株含む「オルカン」「S&P500」にも 横川楓
11月5日に行われたアメリカの大統領選挙。トランプ氏が「返り咲き」を果たすのか、そして日本の衆院選の直後だったこともあり、多くの人が注目していたのではないでしょうか。資産運用について友人たちと話していて話題となるのは、やはり投資商品の値上がりについて。大統領選を受けて米国市場は株高となりましたが、それは私たちにも関係するニュースなのです。 * * * アメリカの大統領選は、共和党のドナルド・トランプ前大統領が民主党のカマラ・ハリス副大統領に勝利し、第47代大統領に就任することになりました。トランプ氏の当選が確実となった6日、規制緩和や減税などへの期待から株式が買われ、株高となりました。 「NYダウ最高値更新 東証は一時400円超の下落」(11月7日配信、朝日新聞デジタル) 6日のニューヨーク株式市場で、主要企業でつくるダウ工業株平均が1500ドル超値上がりし、史上最高値を更新した。上げ幅は4年7カ月ぶり。 「NYダウ、最高値更新 ビットコインも高騰 トランプ相場続く」(11月12日配信、朝日新聞デジタル) 11日の米ニューヨーク株式市場で、主要企業でつくるダウ工業株平均が304ドル値上がりし、2営業日連続で史上最高値を更新した。 報道では、今月に入って何度もNYダウが史上最高値を更新したことが取り上げられています。 大統領選の結果を受けて米国市場は大きく動きましたが、それは私たちにとっても関係のない話ではありません。 最近の投資信託でよく話題に上がるのが「S&P500」「オルカン」ですが、「S&P500」はアメリカを代表する企業で構成され、「オルカン」も米国株の比率が高いことから、アメリカの銘柄の動きが注目されているわけです。
■NYダウとは NYダウとは、「ダウ・ジョーンズ工業株価平均」のことで、アメリカを代表する30銘柄によって構成されている米国株式を代表する株価指数です。以前の連載記事で日経平均株価について取り上げましたが、アメリカのNYダウは日本でいう日経平均株価のようなものです。 NYダウに入っている銘柄は、時代の流れで入れ替えがあり、現在ではアップルやコカ・コーラ、マクドナルドなども含まれています。 NISAのつみたて投資枠でもNYダウに連動する銘柄もあるため、投資初心者の方でも触れる機会がある代表的な指数となっています。 ■大統領選でどんな影響が? トランプ氏が掲げている経済政策の柱は、「減税」です。2017年には個人所得税などの減税をトランプ減税として成立させており、それの恒久化をめざすほか、法人税率のさらなる引き下げなども公約に含まれていました。 トランプ氏が打ち出す経済政策により、アメリカの景気を押し上げるという期待がされています。 そんなトランプ氏の政策への期待から、幅広い銘柄で買いが広がりました。 そして、最高値を更新したのはNYダウだけではなく、アメリカのほかの代表的な株価指数であるナスダック総合指数やS&P500も最高値を更新しています。 ナスダックはアメリカの新興企業向けの株式市場で、そこに上場している約3000銘柄を指数化したもの。S&P500はアメリカの大手企業約500社の時価総額をもとに指数化したものです。 投資をするにあたって投資信託を買うのであれば、米国株が含まれた投資信託を候補のひとつに考える方は多いはず。また、NISAを活用されている方で、アメリカの株価指数に連動した銘柄を買っている方も多いのではないでしょうか。 アメリカの株価は、トランプ氏が今後、どのような経済政策をとっていくかで大きく変動していくでしょう。ぜひアメリカの経済政策に関するニュースもチェックしてみてください。 (横川楓) 横川楓(よこかわ・かえで) 1990年生まれ。経営学修士(MBA)、ファイナンシャルプランナー(AFP)などを取得し、「やさしいお金の専門家/金融・経済アナリスト」として活動。一般社団法人日本金融教育推進協会代表理事。「誰よりも等身大の目線でわかりやすく」をモットーにお金の知識を啓発、金融教育の普及に取り組んでいる。著書に『ミレニアル世代のお金のリアル』(フォレスト出版)、『お金の不安と真剣に向き合ったら人生のモヤモヤがはれました!』(オーバーラップ)。
横川楓