70代・昔ながらの「古民家」暮らし。「頼れるのは自分の手仕事。お金より頼りになる」
シニアの住まい問題はさまざま。神奈川県と長野県で2拠点暮らしをする、画家、庭の料理家・藤田みどりさん(70歳)は夫婦ふたり暮らし。ブログ「北 鎌倉のお庭の台所・藤田みどりさんの暮らし2」では、四季折々の庭の様子や、収穫した野菜を使った料理などを紹介しています。ここでは、藤田さんの古民家暮らしを紹介します。
自給自足に近い暮らしがかなう長野県・上田の家
藤田さんが2拠点暮らしを始めたきっかけは「高齢の母に今の日本の夏は厳しすぎる」という夫のひと言でした。夏の家は「信州の鎌倉」とも呼ばれる、長野県上田盆地の塩田平にあります。総敷地面積は、なんと1300坪! かつて養蚕農家だった古民家で、庭にはたくさんの果樹やハーブ、野菜が植えられています。 この家を手に入れたのは、2011年に起きた東日本大震災の直後だそう。 「お金なんてあっても、天災相手ではどうしようもない」。いざというときの避難のことも考えたのが、この住まいです。ここでなら、自給自足に近い暮らしがかないます。 「お金はなくても食べるものさえあれば、なんとかなりますから」
庭にまく水は雨水をためて水道代を節約!
庭で育てている野菜もハーブも露地栽培なので、ある程度は天候まかせ。ですが、晴れ続きだと水をまかないと枯れてしまうことも。 「庭にまく水は屋根から雨どいづたいに、雨水タンクに集めています」
庭先のダイニングでも思い立ったらパーティ!
どっしりとしたテーブル×ベンチは母屋の古材を利用したもの。元は縁側に置いていたそう。 「あまりに存在感があるので、夫婦で御影石を土台に埋めてここまで運びました。重労働だったけど、家族が集まるときに重宝するんですよ」 天災はいつ来るかわからないし、戦争をしている国もある。いつ、なにがあるかわからない世の中だからこそ「なるべく自給自足に近い暮らしを」。そんな思いで信州の土地を耕し、実りは保存食に。 「頼れるのは自分の手仕事。お金より頼りになります」
ESSE編集部