PMSや生理痛、正しく知って婦人科かかりつけ医に相談を
11月25日、跡見学園女子大学と大塚製薬株式会社共催による「女性の健康セミナー~正しく知って対処するPMS!~」が同学文京キャンパスにおいて開催されました。本セミナーは同学の学生に加え文京区民も対象としており、当日は学生の他に幅広い年代層の女性、少数ながら男性の参加者も見られ、関心の高さがうかがえました。
ヘルスリテラシーが高い人は、仕事のパフォーマンスが高い
はじめに、跡見学園女子大学マネジメント学部の石渡尚子教授は、女性ホルモンの変動に対する理解は女性のライフプランに欠かせないものとして「働く女性の健康増進調査2018」(日本医療政策機構)の結果に触れ、PMS(月経前症候群)や月経随伴症状、更年期症状によって仕事のパフォーマンスが半分以下になると、約半数の女性が回答したことを指摘しました。
また、同調査ではヘルスリテラシーが高い女性は、低い女性よりもPMSや月経随伴症状、更年期症状があるときの仕事のパフォーマンスが高いという結果にも触れ、健康に関する正しい知識と不調時の対処法を身につけ、ヘルスリテラシーを高める大切さを説きました。そしてその第一歩として、女性ホルモンの変動を意識することで仕事の量やスケジュール調整が可能となり、自分らしい働き方につながると述べました。
ライフステージによって変化する女性ホルモン
次に、女性ホルモンを調節する体の仕組みについて、「女性ホルモンは卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という働きが異なる2種類のホルモンが卵巣から分泌されています。 そのホルモンの増減によって、初潮を迎えた後10代後半くらいから月経前症候群(PMS)がはじまり、ホルモンの分泌が減少する50歳前後には閉経が近くなることで更年期症状が現れてきます。更年期症状の有無や強さは人により異なり、症状も約200種類にも上ると言われています」と解説し、ライフステージによって女性ホルモンが大きく変化することを強調しました。 近年の傾向として、社員の健康状態が会社の経営状況にも影響するとの考えから「健康経営」を推進する企業を経済産業省がサポートしていますが、ライフステージによって顕れやすい症状や罹りやすい病気を把握し対策することも重要と言えそうです。 また、生理の症状の1つにある「冷え」の原因として筋肉量と女性ホルモンの影響が考えられると述べ、冷えない体をつくるための対策として、無酸素運動(いわゆる筋トレなど)で筋肉を増やすことやビタミンをバランスよく摂ること、特に朝食で温かいものをよく噛んで食べる(たんぱく質を多く含んだ具沢山のスープなど)ことを紹介しました。