水戸黄門で「200回以上お風呂に入った」由美かおる、60年変わらない美貌の“ライフワーク”
注目を浴びた入浴シーン
ケラケラと笑う。注目を浴びたのが、入浴シーン。 「“由美かおるの入浴シーンは何時何分か”とクイズ番組に出されたそうで、そんなに話題なら、とどんどん入浴シーンが増えていったんですよ」 実は自宅では“カラスの行水”で湯船につかる時間は数分なんだとか。 「撮影となると時間がかかるんです。正面から撮って、横に回ってとかすると照明から何から変えなきゃいけないから。暑いときはレフ板であおいでもらったり、大きな扇風機を用意してもらったり。水着はつけているけど、お湯に出入りするたびに緊張しました。あるとき、ある女優さんと一緒に入るシーンがあって、その方が肩までつかっているので“もう少し上にあがったほうがいいわよ”とアドバイスしたのですが、案の定のぼせちゃって」 気持ちよさそうな入浴シーンからは想像もつかないが、撮るほうも撮られるほうも大変なのだ。岩風呂、五右衛門風呂、檜風呂など趣向を凝らしたお風呂に入ること200回以上。“かげろうお銀”と“疾風のお娟”の役を通じ4人の黄門様に仕え、25年にわたり716回、出演した。撮影場所となる京都での暮らしも25年間続いた。 「京都は故郷なので、やっぱり落ち着きますね。桜や紅葉など季節ごとの美しさを見ながらのロケも楽しかったですよ」 撮影は週に5日、朝から晩まで撮っていた。食事は仕出屋の弁当がほとんど。 「和食、鮭とか煮っ転がしとか入ったの、おいしかったですよ。撮影所の近くに家がある女優さんがいらして、朝早いのに、お弁当を作って持ってきてくれるのね、何度も。ありがたかったわ。お礼に、そのお母さんと一緒に近所の洋食屋さんにお連れしました」 撮影の待ち時間には、ピアノを習いに行った。 「すぐ近くに先生がいらして、衣装をつけたまま走って行きました。とにかく興味あることは、どんどんやってみようと、三味線なども習いました」 レギュラーを卒業したときは60歳。由美かおるあっての『水戸黄門』だった、といったら言いすぎだろうか。