【バドミントン】日本協会が国際大会エントリーミスについて説明 組織体制を変更し、再発防止へ
10月1日、日本バドミントン協会は記者会見を行ない、国際大会エントリーミスに関する今後の再発防止策や、2025年からの強化体制などについて発表した。 10月に行なわれるデンマークオープン(10月15日~20日/デンマーク・オーデンセ)、ベンディゴ国際(10月9日~13日/オーストラリア・ベンディゴ)に、代表チームと所属チームとの共同派遣および自費派遣で出場を希望していた選手のエントリーがなされていないミスが発覚した。デンマークオープンでは女子ダブルスの櫻本絢子/五十嵐有紗(ヨネックス/BIPROGY)、ベンディゴ国際では、男子ダブルスの藤澤佳史/目崎駿太郎、男子シングルスの齋藤駿(いずれもトナミ運輸)のエントリー漏れがあった。 日本協会は、今回のエントリー漏れが発覚したあと、9月24日に、過去1年間に国際大会へのエントリー実績のあるチーム責任者と対策会議を実施。エントリー業務におけるリスクを洗い出し、再発防止策を検討した。 大会へのエントリー業務は手作業が多いことから、ヒューマンエラーが発生するリスクは避けられない。今後は、国際大会申し込みの専用アドレス設定による受付の開始や受付時の受信者を追加し、複数チェックを行なうなど再発防止策を講じる。同時に、これまで強化本部の配下にあった海外派遣業務を行なう部署を会長・副会長の直下に置く組織変更を行なった。村井満会長および朝倉康善副会長自らが再発防止に努める。 協会の財務会計改革に取り組んできた村井会長は、「強化に関してはパリ五輪までは体制を変えずに選手をサポートしていく」としてきたが、相次ぐ国際大会エントリーミスについて、会長としての責任を口にした。 「私がしっかり指揮をとればよかったのですが、強化に関してはパリ大会までは基本的に手をつけないとしていて、そこは自分の思い込みもあった。現場はコーチングスタッフに任せても、代表総務といわれる実際の事務作業を含めた強化の改革が抜け落ちていたことは私の責任」 今後について「財務会計の改革をしてきて事務のエキスパートが増えている。代表総務の組織を直下に置くことで、そうした事務のエキスパートが強化に関与できる体制もとれる。何よりも私自身が直接関与していくという思いもあり、不退転の決意で臨みたい」と話した。 なお、今回のエントリーミスの影響で国際大会に出場できなかった選手に対しては、代替大会の設定をしていくとしている。 会見では、そのほか、パリ五輪についての日本代表の結果についても総括。女子ダブルス銅メダル、混合ダブルス銅メダルという結果について、「メダル複数個獲得はリオ大会以来。リオ大会の金メダル1個、銅メダル1個には及ばなかったものの、東京オリンピックでの銅メダル1個に比べれば、結果は上回った」としたものの、現役選手やコーチなど50名以上の関係者にアンケートや面談を行なった結果、「将来的に全種目メダル獲得のためには、まずは全種目で最低でも入賞者を毎回出すことが重要。そのために必要なテクニカル、フィジカル、メンタル、メディカルといった、あらゆる分野でのサイエンスの知見も高めていかなければならない」と課題なども挙がった。 4年後のロス五輪、8年後のブリスベン五輪に向けての強化に関しては、ジュニアからトップ層までの連続性を意識した一貫強化、選手個々の特性やコンディションをベースにした強化計画の推進などの方針を打ち出し、ナショナルチームは2025年から新たな体制としていくことも明らかにした。 また、2025年2月にスタートする新体制のヘッドコーチには、大堀均氏が就任することが発表された。
取材・構成/バドミントン・マガジン編集部