被害者支援の活動を行う女性が『闇バイト』の危険について高校生に講演【熊本】
テレビ熊本
全国各地で被害者支援の活動を行う熊本市の女性が先日、県立大津高校で講演を開きました。今回は、「安易に手を出し、加害者にならないでほしい」と『闇バイト』の危険について高校生に訴えました。 10月31日、県立大津高校で開かれた「命の大切さを学ぶ教室」。 講師は、深迫 祥子さんです。 深迫さんは5年前、息子の忍さん当時29歳を交通事故で亡くしました。 当時、忍さんは東京でバリスタの修業をしていて、『熊本に帰ってコーヒーショップを開く』という夢を実現させようとしていたときに事故に遭いました。 忍さんの意思を引き継いだ深迫さん夫婦は2020年に熊本市でコーヒーショップを開き、現在は被害者支援の活動にも取り組んでいます。 この日は、生徒およそ600人を前に講演。 刑務所を訪問した経験などを基に、SNSで集められた若者らが報酬目当てに強盗や特殊詐欺などの犯罪行為を行う『闇バイト』について話しました。 【深迫祥子さん】 「本当にごく普通の子。普通に生活をし、大学も行き、遊びすぎてバイト代がなくなった。本当に簡単な気持ちで手を出しているんです。でも、本当に『闇バイト』に 手を染めてしまった人は刑務所の中で何十年も過ごします」 そして、母親が事件に巻き込まれ、命を奪われたという遺族から聞いた話も。 【深迫さん】 「何度も何度も殴られ、人間じゃないような姿だったそうです。(犯人は)『無期懲役じゃなく、ちゃんと自分を全うするために死刑にしてほしい』と言っています。 それも安易に手を出したからなんです」 また、「『自分には関係ない』と思っていても、身近に危険が潜んでいるのがSNSの怖さ。一度関わると、抜け出すのが難しい」と闇バイトの恐ろしさを訴え、「自分の命を大切にしてほしい」と話しました。 【生徒】 「『闇バイト』とかテレビでよく聞くけど、自分にはあまり関係のないものなのかなと思っていました。きょうの話を聞いて、自分にも身近な関係のあることなんだと思いました」 【生徒】 「安易に『闇サイト』に踏み込むと、大きなトラブルになったり自分の人生を変えてしまうという話が印象に残りました」 今回、講演を行った深迫さんが理事長を務めるNPO法人は熊本の大学生と協力して 11月30日に熊本市の『サクラマチクマモト』でイベントを開くということです。 イベントでは、コーヒーが無料で振る舞われるほか、若者に犯罪の恐ろしさを知ってもらおうと、刑務所や被害者支援センターなどのブースも設けられるということです。
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