文化祭や運動会で見る受験校選び「深い」ポイント 説明会での「うちは自由な学校です」が本当かを見極める機会
一方で、たとえばクラス単位で演劇の完成度を競い合うことが「文化祭」と呼ばれている学校もあります。学年単位でテーマが決められており、それに沿った出し物をクラス単位で考えなければいけないという縛りがある学校もあります。普段の学習活動の発表の場を「文化祭」と呼ぶ場合もあります。 ある受験生の母親は、ある学校の文化祭に親子で参加したものの、まるでゼミの発表会みたいで拍子抜けしたともらしていました。生徒の内発性からくる表現ではなく、枠組みを決められた表現だったというのです。そのような学校でも「文化祭は生徒たち主体で運営されています」と必ず言います。生徒が主体性を発揮する範囲設定がそもそも違うのです。
これまでの取材経験から言わせてもらえば、運動会では規律のとれた組織力が目立ち文化祭でもクラス単位や学年単位の割ときっちりとしたルールがある学校は、組織的な規律を重視する学校と見て間違いありません。逆に運動会がゆるゆるで文化祭も任意参加になっているような学校は、個人の自由を重視する学校と見て間違いありません。 規律のとれた組織だった運動会を行いつつ、文化祭は有志団体単位の個性重視で行われる学校ももちろんあります。運動会はゆるゆるなのに、文化祭はわりときっちり行われる学校もあります。
■学校選びを通して自分たちの好みを知る というわけで、運動会における組織(規律)重視か個人(自由)重視か、文化祭における組織(規律)重視か個人(自由)重視かの2軸のバランスから、その学校の規律と自由のバランス感覚がおおよそ推し量れます。それを4象限に落とし込むと図のように表現できます。 ですから、各学校の文化祭や運動会に参加した際には、パンフレットなどを入手して、文化祭はどのような団体単位で行われているのか、運動会の種目はどのようなラインナップかなどを見てみてください。そこから学校の個性が客観的に浮かび上がってくるはずです。生徒をつかまえて「自由ですか?」と聞いたって、客観的な答えが得られるわけがありません。生徒たちは自分の学校しか知らないわけですから。