文化祭や運動会で見る受験校選び「深い」ポイント 説明会での「うちは自由な学校です」が本当かを見極める機会
代表格は開成の大運動会です。勝ち負けに徹底的にこだわり、運動会での勝利のために、毎日のように放課後に練習します。先輩が作戦を立て、作戦が思惑通りに遂行できるように後輩に厳しく指導します。運動会当日には、負けては泣いて土下座して、勝っては雄叫びを上げてまた泣きます。 逆に、一見ダラダラしたゆる~い運動会をしている学校には、全体主義的なことを極端に嫌う傾向があります。そういう学校の騎馬戦では、そもそも両チームの騎馬の数がそろっていなかったりします。作戦なんてありません。それでも本人たちはわいわいと楽しそうにやっています。自由な校風として有名な学校のなかには、いわゆる伝統的な競技を行う運動会を廃してしまい、代わりにレクリエーション色の強い体育祭や球技大会を行う学校が少なくありません。
たとえば筑駒の体育祭は2日間にわたってオリンピック形式で行われます。グラウンドや体育館をフル活用して、サッカーやバレーボール、相撲などの競技を同時進行します。武蔵の体育祭も2日間にわたって行われ、初日はいわゆる運動会的な伝統競技、2日目は球技などさまざまなスポーツで競われます。桐朋には、運動会も体育祭もありません。そのかわりに球技大会が行われます。 ちなみに、女子校の運動会や体育祭は学年対抗で行われることも少なくありません。高3と中1がリレーで競ったりするのです。勝負は見えています。でも、勝つことよりも、お互いを支えあい学年の一体感を醸成することのほうが大切だというのです。男子校でそのような学校は私の知る限り1つもありません。
■文化祭は多様な「個」を表現するイベント クラスや学年などの単位は度外視で、やりたい生徒が自発的に手を挙げて、いわゆる有志団体単位で出し物を企画する形式で文化祭が営まれる学校は、組織よりも個を優先する思想が強い学校です。 そのような学校では、クラス単位だけでなく、部活単位で企画を出したり、任意の有志の集まりで企画を出したりします。学校によっては「自発的に表現したいことのない生徒は企画に参加しなくてもいい」ということもあります。