日産ガバナンス委が会見 報告書を公表(全文1)典型的な経営者不正
委員会から38の提言
当委員会では日産のガバナンスに関する問題点の根本原因を解消し、類似した問題の再発を防ぐとともに、国内外のステークホルダーからの信頼を回復し、世界をリードする企業にふさわしいガバナンス体制を構築するための提言をまとめさせていただきました。日本の会社法および東京証券取引所が公表するコーポレートガバナンスコードの現行ルールだけではなく、その後の改正に向けた動向も踏まえた上で、これらが要求する水準を上回る強固なガバナンスの構築を求めています。加えて国際的なルールも参照しておりまして、インターナショナルアドバイザーからは、本提言によるガバナンス改善策が実効性を持って実施されれば、海外の上場企業において優れたガバナンスを実現しているケースと遜色がないガバナンス体制を実現できるであろうとの評価を得ております。 お手元の概要に当委員会の提言を全部で38件、提言は一応38の提言がございます、これを記載させていただきました。当委員会は根本原因に基づき執行と監督・監査の分離、指名報酬の決定権限の集中の防止、集中防止、実効性のある監督・監査を実現するための取締役会の独立性、多様性の強化、およびサポートの充実、企業風土改革や社内体制整備などが喫緊の課題であると判断し、これらの提言をまとめております。 主な提言内容をまとめますと、2019年6月末をもって指名委員会設置会社への移行。取締役の過半数は独立性を有する社外取締役とする。取締役会議長は独立性を有する社外取締役とする。指名委員会、報酬委員会、監査委員会の各委員長は、独立性を有する社外取締役とし、委員の過半数は独立性を有する社外取締役とする。ただし報酬委員会は全員が独立性を有する社外取締役とする。 指名委員会等設置会社への移行となりますので、代表執行役はルノーまたは三菱自動車の取締役、執行役、その他の役職員を兼任してはならない。物づくり企業としての企業倫理の再構築を求める。最後にといいますか、RNBVやZIA社をはじめとする本件不正行為等に利用された可能性のある子会社・関連会社等について、廃止を含めた見直しを求めるなどです。詳細は報告書に記載してありますので、これをご覧いただければと思います。 今後のことにつきまして一言述べさせていただきます。当委員会は日産が提言を受けて、提言を真摯に受け止め、迅速かつ誠実に検討して、強固で透明性の高い最善のガバナンス体制を構築した上で、日産の目指すべき姿を示す新たな経営体制を確立することを期待しております。未曾有の変革期に直面している自動車産業において、日産が時代の要請に応えるべく主体的に取り組むとともに、日産、ルノー、三菱自動車工業、3社のアライアンスが実効性ある形で運営されることを期待しています。新たな経営体制の下、多様な視点を有する役職員が事業戦略や対処すべき課題を活発に議論し、日産が世界をリードする企業として新たなスタートを切ることを切に願っております。 司会:西岡共同委員長、どうもありがとうございました。榊原共同委員長、何か付け加えることがありましたらお願いします。