日産ガバナンス委が会見 報告書を公表(全文1)典型的な経営者不正
西岡氏「私利追求の探知が難しい体制」
これらを精査した結果、日産の内部調査報告書自体は、内部報告書が不合理なものではないというふうに判断をしております。また提言を、日産のガバナンスに対する国内外のステークホルダーからの信頼を回復するに足るものとするために、提言を信頼を回復するに足るものとするために、国内外の機関投資家の意見を参照し、さらに国際的な知見を有する米英の3名のインターナショナルアドバイザーとの議論を行い、これらの意見や助言を踏まえました。報告書の概要の一番末尾のところに、1ページ目の下のほうに、そのインターナショナルアドバイザーの方の名前等も記載しております。 さて、根本原因のところですけれども、当委員会が検討した日産のガバナンスの問題点があって、そしてその根本原因ということになりますが、この点につきましては、お手元の概要にも記しておりますが、詳細は報告書をご覧いただければと思います。まず当委員会は精査した資料を基に、日産元会長のゴーン氏および、元代表取締役のケリー氏による法令違反、社内規定違反、会社資金・経費の私的利用等、これらを疑うに足りる事実、疑うに足りる事実です。および経営者としての倫理観の欠如を示す事実、これらが存在すると判断をしております。これら不正行為等を防ぐことができなかった日産のガバナンスに改善を要する問題点があったことは明らかでございます。まずガバナンスに問題点があるということを、事実をもって判断をしたということでございます。 ここでこの不正行為等について、これを一言で申し上げますと、典型的な経営者不正と言えようかと思います。典型的な経営者不正です。しかも経営者が私的利益を追求している点で、いわゆる会社のためを不正の正当化根拠としていた過去の上場会社での経営者不正、これは粉飾決算とか不正会計といった経営者不正があったかと思いますが、これとは根本的に異なります。 そして、この不正行為と、これがガバナンスの問題点ということになりますが、これの主な根本原因は、ゴーン氏への人事、報酬を含む、権限の集中でございます。集中です。牽制をなしうる、牽制をしうる、一部の管理部署の権限をケリー氏などに集中させ、これらの部署をブラックボックス化し、私的利益の追求を探知することが難しい体制をつくりあげました。また、取締役会等による監督、監視、監査が一部有効に機能しなかったことなどが挙げられます、根本原因として挙げられます。