旅館で食べ切れなかった食事の「持ち帰り」ってアリ?食品衛生上、問題は?
「旅館の食事はおいしいけれど、量が多すぎて食べ切れない」やむを得ず残すことになり、もったいないと感じたことのある方もいらっしゃるかもしれません。余った食事を持ち帰ることは節約につながるような気もしますが、食品衛生上問題はないのでしょうか。 そこで今回は、旅館で提供された食事を持ち帰ることについて解説します。 ▼職場のランチ代節約したい!「おにぎり」だけは栄養的にNG? 節約効果も検証
旅館で食べ切れなかった食事は持ち帰れるのか
宿泊施設で食事を提供する場合、旅館営業とは別に「飲食店営業」の許可を取る必要があります。この場合、保健所の管轄となり、食事の提供に関して定期的に指導を受けます。 旅館では、食中毒やノロウイルスの感染拡大を防止するため、厳しい管理の下で食事を提供しているのです。余ったご飯やおかずを客が持ち帰る場合、その後の保存状況や食べるまでの時間の長さ、保管場所の衛生状態は旅館側がコントロールできません。 生の刺身や加熱していない野菜・果物などを、気温や湿度が高い状態で長時間置いておくと、食品衛生上のリスクが高まる可能性があります。そのため、余った食事の持ち帰りは許可していない旅館が多いようです。
食べ切れない場合の対策
旅館の食事を食べ切れずに残してしまうと、もったいない気持ちになってしまうかもしれません。そうならないための対策をご紹介します。 ■素泊まりプランで宿泊し、地元の飲食店を活用する 旅行中の食事は、宿泊施設のレストランではなく、地元の飲食店を利用するのもおすすめです。素泊まりプランを選べば、宿泊代がおさえられるので、浮いた予算で近くのレストランや観光地のグルメを楽しめます。自分の好みに合わせて、食べたいものを好きなだけ堪能できる方法といえるでしょう。 予算に合わせて店のグレードを変えれば、お金を使い過ぎてしまうこともありません。ただし、宿泊先の周辺に飲食店がない場合もあります。途中の観光場所や立ち寄れるスポットなどを、事前に調べておくことが大切です。 ■ビュッフェ形式の食事プランを選び、無理のない範囲で食べる ビュッフェスタイルは若い人や子連れファミリー向けというイメージが強いかもしれません。しかし、最近では大人がゆったりと楽しめるビュッフェのある宿泊施設も増えています。 注文するとその場で調理してくれたり、スイーツの種類が豊富だったりと、ホテル・旅館によって特色もさまざまです。旅館によって差はあるものの、懐石料理スタイルの旅館と比べ、ビュッフェスタイルの食事が提供されるプランは、価格も安い傾向にあるようです。 同行者と食べる量が違う場合や、少食で出された食事を食べ切れるか心配な場合は、ビュッフェを検討してみるのもよいでしょう。 ■宿泊前後の食事量を調整する どうしても、旅館やホテルで提供される料理を楽しみたい。でも、食事の量が多すぎると、食べ切れないかもしれない……。 そんな方は、旅館に事前に連絡し、食事の量を少なめにしてもらえるか相談してみましょう。また、旅館以外の食事で調整するのも一つの方法です。例えば、出発当日の朝ごはんはいつもより軽くし、昼食にはそばなどの軽めのメニューを選ぶのもよいでしょう。 観光地のご当地スイーツや名産品も魅力的ですが、食べ過ぎには気をつけてください。旅館で豪華な食事を楽しむのであれば、宿泊前後の食事にはお金をかけないと決め、思い切って手頃な価格帯のメニューを選ぶのもおすすめです。価格・カロリーともにおさえ、そのぶん旅館の食事でお腹いっぱいになれば、満足度も高まるでしょう。
旅館で出された料理の持ち帰りは原則できない
旅館は、「飲食店営業」の許可を取り、保健所の指導のもと食品衛生管理を徹底しています。 したがって、食品衛生上の懸念から、食べ切れなかった食事を持ち帰ることはできないと考えられます。せっかくの食事が食べ切れずもったいないという方は、宿泊プランの見直しなど別の方法で節約してみましょう。 出典 神奈川県 旅館業営業の申請について 千葉県 食品営業関係手続(1)営業許可業種 営業許可が必要な業種(32業種) 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部