3千冊が一堂に ブックマルシェ、和歌山県串本で初開催
和歌山県串本町田並の田並劇場で21、22の両日、「紀伊半島ブックマルシェ」が開かれた。会場では紀伊半島各所にある書店8店の店主がマルシェのために選んだ本約3千冊が一堂に集まった。訪れた人は本を手に取って読むなど楽しんだ。 【打ち上げ後、飛行中断 衛星の軌道投入ならず、和歌山県串本のロケットの動画はこちら】 田並劇場や海南市の「オールドファクトリーブックス」、那智勝浦町の「らくだ舎」が、本屋と本に出合う「一期一会」の場をつくり、本を読む時間や売る機会を確保しようと初めて開催した。 会場では、田辺市や新宮市、那智勝浦町、大阪府、三重県の書店が小説や写真集などさまざまな分野の本を持ち寄って展示。飲食の販売もあり、にぎわった。 舞台ではトークイベントもあった。22日午前は、親子の分かりあえなさをラップバトルでひもとく小説「レペゼン母」でデビューしたすさみ町在住の小説家、宇野碧さんが登壇。小説誕生の裏側や仕事に取り組む姿勢などを語った。 レペゼン母について宇野さんは、女性ラッパーが対戦相手から女性差別を受けたというニュースを見て、ラップバトルを題材に選んだという。「ラップバトルは聞いたことがなくて、題材を思いついたときから下調べをした。若い女性が勝つという絵が思い浮かばなかった。どういう女性なら勝てるんだろうと考えたときに『オカン』なら勝てるじゃないか。そこからアイデアができた」と述べた。 この日の午後は出店者のリレートークや、編集者のヘメンディンガー綾さん、写真家の丸山由起さんによるトークイベントもあった。 田辺市の高校3年生、生駒咲樹さん(18)は「本を読みたいけれど、読む機会がない。いろんな本屋さんが集まって本に関わる機会があるのはいいなと思った。宇野さんにサインをもらったので帰って読みたい」と話した。 オールドファクトリーブックスの助野彰昭さん(41)は「たくさんの人に来ていただいて励みになった。これからも続けていきたい」、田並劇場の林澄蓮代表は「紀伊半島の本屋さんをつなげたいというのがこういう形で実現できて幸せ。劇場を文化と交流の場にするというのが結実した」と語った。 劇場では関連展示として、25日まで絵本作家のすけのあずささんが制作した民族衣装の原画を展示、販売している。
紀伊民報