どうなるNext GIGA【1】GIGAスクール構想の学力は上がったのか
GIGAスクール構想の第2期となる「Next GIGA」が始まる。1人1台端末とネットワークは、学校の授業や子供たちの学習に変化をもたらしたが、コンピューターを使えるようになること以上の成果はあったのだろうか。GIGAスクールの成果と課題をデータで検証し、国の施策を含めた最新動向を解説する。 【図版】ほかの資料を見る * * * 2020年度から始まったGIGAスクール構想は、学校の授業風景を変えつつある。150年以上にわたり大きな変化のなかった授業スタイルが、1人1台のコンピューターやインターネットの活用により、たった4年間で転換する兆しを見せている。 GIGAスクール構想には、最初の環境整備だけでも4600億円の予算が組まれた。第2期では、端末の更新に2661億円を拠出する。第1期が終わる今、巨額の国費を投入したプロジェクトの成果を検証し、課題を明らかにする必要がある(図1)。 GIGAスクール構想で整ったICT環境は、オンライン授業や端末持ち帰りによる学びの継続を実現した。子供たちが基本的なICTリテラシーを身に付けることもできた。特別な支援が必要な児童・生徒にとって特に有用だ。こうした成果がある一方、子供たちの学びに対する影響は、あまり明確になっていない。1人1台端末は、学習指導要領が目指す学びの実現に貢献したのか。ICT活用で学力は上がったのだろうか。
Next GIGAに残された課題
成果の一方で、第2期の「NextGIGA(ネクストギガ)」に持ち越される課題は多い。もともとGIGAスクール構想は、4年かけて環境を整備する計画だったが、コロナ禍の学校休業を受けて前倒しで進められた。そのおかげで子供たちの学びが保障された半面、学校現場で戸惑いや混乱が生じることもあった。 特に、ICT機器の導入が遅れていた地域や学校では端末活用にも時間がかかり、今もそうした差が残ったままだ。インターネット接続環境も地域によって大きな差があり、今後のICT活用に不安が残る。1人1台端末によって利活用が期待された教育データや学習者用デジタル教科書も、さまざまな技術的・制度的な課題に直面している。