通信制の学生です。従業員数60人ほどの会社でアルバイトをしているのですが、私も10月から社会保険に加入することになりますか?
令和6年(2024年)10月から、従業員数(被保険者数)が50人超の企業で働くパートやアルバイトの短時間労働者のうち、一定の要件を満たす方が新たに社会保険(厚生年金保険・健康保険)の適用対象となりました。学生の取り扱いについて解説します。 ▼扶養内で働いてるけど、労働時間が「週20時間」を越えてしまった!「社会保険」に加入する必要はある?
社会保険加入の条件(1)
パートやアルバイトでも一定の要件を満たせば社会保険に加入しなければなりません。まず、1週間の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が、同じ事業所で同様の業務に従事している通常の労働者の4分の3以上であれば、社会保険の加入対象です(4分の3基準)。 たとえば、正社員の1日の所定労働時間が8時間、週5日で40時間の場合、1日5時間で週5日働くとします。所定労働日数は4分の3以上ですが、所定労働時間が4分の3未満なので社会保険の被保険者にはなりません。
社会保険加入の条件(2)
通常の労働者の1週間の所定労働時間または、ひと月の所定労働日数が4分の3未満である方(短時間労働者)でも、以下の1から4のすべてに該当する方は、50人超の企業で働いていれば社会保険の被保険者です。 1.週の所定労働時間が20時間以上あること 2.賃金の月額が8.8万円(年約106万円)以上であること 3.2ヶ月を超える雇用の見込みがある 4.学生でないこと なお、50人以下の企業等であっても、労使合意に基づき、短時間労働者の適用拡大の対象事業所になることができます。ちなみに、年収130万円未満の第3号被保険者でも上記の要件を満たせば扶養を外れ、自ら社会保険に加入しなければなりません。
社会保険加入のメリット
社会保険(健康保険、厚生年金保険)に加入した場合、保険料の支払いの負担が生じるものの、医療や年金の保障が充実します。具体的には、出産のために会社を休んだときの出産手当金や働けなくなったときの傷病手当金などの給付を受けることができます。 また、将来受け取る年金額が増加します。病気・けが等で障害状態となったときには「障害年金」、家計の支え手(被保険者)が亡くなったら遺族に「遺族年金」が支給されます。このように国民年金・国民健康保険に比べて保障が充実しています。