夜中に150人超の人だかり…南大阪のドンキで一体何が?→県外からマニアが訪れる有名スポットだった
大阪でも梅田やなんばから少々離れた場所にあり、ニュータウンにほど近い和泉中央。同エリアにあるディスカウントショップ「ドン・キホーテ」が、今異様なほどの賑わいを見せていることをご存知だろうか。なんと、日によっては深夜に列ができることもあるとか。一体なぜ・・・? 【写真】夜間にも関わらず日中のような盛り上がりの店内 その謎に迫るべく、「MEGAドン・キホーテ和泉中央店」(和泉市いぶき野)の担当者を取材した。 ■ 賑わいの理由はミニカー「ホットウィール」 実はこの和泉中央店、世界最大手のおもちゃメーカー「マテル」が発売する『ホットウィール』の売上が日本でもずば抜けて高いのだとか。ホットウィールとは1968年から現在まで約80億台生産されているミニカーのことで、子どもはもちろんコレクターアイテムとして⼤⼈からも⽀持されている。 同店はホットウィールの売上が系列のPPIHグループ全店でも1位なのにくわえ、なんと日本全国にあるおもちゃ店のなかでも最大級。熱烈なマニアも多い同商品だが、他店では数十個程度しか入荷されず長時間並んでも人数オーバーで買えず・・・ということもしばしば。同店では、少しでも多くのファンの手に商品が渡るよう数百~数千個を用意しており、文字通り桁違いの仕入れ力を誇る。 また、「ドンキ」といえば深夜営業のイメージが強いが、和泉中央店でも深夜3時まで営業をおこなっている。そのため、新商品の販売が可能となる深夜0時になると、夜中にもかかわらず150人超の人だかりができるとか。展開する商品数がずば抜けているうえ、コアなファンにも刺さる品揃えということで、県外からマニアが訪れるほどの有名スポットなのだ。
日本最大級の仕入れ力は「担当者の愛」
ファンの間では「新発売の発売自体がイベント」というほど熱狂を呼ぶホットウィールだが、同店では5月から他店とのコラボ企画や抽選会などが楽しめるイベントも実施している。 このイベントの企画・運営を担当する藤井真琴さんこそが、同店のホットウィール熱を盛り上げた張本人だ。約10年前、売り場でホットウィールを2時間かけて吟味するお客さんに出会い、その熱量に衝撃を受けたという藤井さん。のちに同店のおもちゃ売り場を担当することになり、「あのお客さまの熱意に答えるチャンス、運命だ」と感じたという。 今では、マレーシアでおこなわれた公式イベントに参加するほどの熱意を抱き、別店舗に異動してからも勉強は欠かさないとか。「いろんなイベントに参加したり全国各地の専門店を見に行ったり、ホットウィールの楽しみ方は無限大。そこが起点となり消費が循環し、さらには経済効果へと繋がると考えています」と魅力を教えてくれた。 ◇ 「最終目標としては、ホットウィールを流行ではなく『カルチャー(文化)』へと昇華することを目指してます」と、熱意たっぷりに今後の展望を明かした藤井さん。イベントは今後も年2回のペースで実施する予定だといい、ますます和泉中央店が盛り上がりを見せそうだ。 取材・文/つちだ四郎