【外食の冷凍食品】ピエトロ、4~9月の冷食売上高は25.5%増、「洋麺屋ピエトロ」好調 冷食の年間売上5億円目指す
ピエトロの冷凍食品は順調な推移を見せる。2024年4~9月における冷凍食品の売上高は、前年同期比で25.5%増の2億3,900万円となった。小売り向けに加えてEC販売が順調な推移を見せており、今後はさらなる拡販に向けて導入店舗の拡大などを進める。(取材は10月末日に実施) 高付加価値冷凍食品は、コロナ禍に生まれた市場で、近年では参入する企業や有名飲食店も多くあった。しかし、「プレミアムの市場は一時の盛り上がりからは落ち着いてきている」(関係者)との見方も出ている。しかし、その中で「商品や販売方法などを見直した企業は今も着実に数字を伸ばしている」という。また、購入者はまだ決して多くはないものの、高付加価値の冷凍食品を一度でも購入して食べた人のリピート意向は強いとの調査もある。 ピエトロでは冷凍食品カテゴリーを成長領域と捉え、配荷店舗の拡大を目指すとともに、EC市場での認知拡大を図っている。特に、アルデンテ食感を実現したプレミアム冷凍パスタを中心に拡販強化を行った。 アイテムの拡充による効果もあり、販売のメインとなる「洋麺屋ピエトロ」ブランドは約46%増となった。今春の新商品として、レストランの人気メニューを商品化した「洋麺屋ピエトロ 絶望スパゲティ」が好調に推移したほか、「洋麺屋ピエトロ お肉好きのあなたのためのボロネーゼ」などの定番商品も売上を伸ばした。 冷凍食品専門店を含む小売りの配荷店は今年9月末時点で818店舗に達している。オンリテールで展開の冷凍食品専門店「@FROZEN」や、北野エース、イオン九州、『ナチュラルローソン』、『成城石井』の一部店舗などで採用されており、今後は1,000店舗での採用を目指している。ピエトロの担当者は「棚の取れた店舗では空のドレッシングをショーケースの中に入れ、アピールを図っている」と話す。最近では試食販売にも取り組んでおり、新規利用者の獲得も進めている。 ECでの販売も着実に伸びているという。自社サイトに加えて、楽天市場やAmazonなどでの販売も伸長しているようだ。担当者は「一部のカテゴリーでは、店舗よりもECの方が販売は順調だ。売上としても全体の4割弱を占めている」と話す。また、「福利厚生のギフトとしての引き合いもあり、そこでの販売も順調に推移している」と語る。 商品面で力を入れていることについては、「やはり主力のパスタだ。他社はもちもち食感や、生パスタといった方向で進まれているが、レストランで提供している美味しいアルデンテを冷凍でも味わえるよう取り組んでいる」と話す。「レンジで簡単にアルデンテが再現できるのは相当な強みであると思っている」と力を込める。 今後はECでの販売を強めるほか、導入店の拡大も進め、年間の売上高は5億円を目指す。手ごたえについては「確実に前年を上回る勢い」と力を込める。 また、26年春には新工場の稼働も計画している。冷凍食品の生産量は現在の約4倍を見込んでおり、現在テスト的に販売している冷凍ケーキなど、新規カテゴリーの追加も検討している。「当社の場合は手作業で商品を作っており、そこは新工場でも変えずに継続したい」と話す。 ピエトロの担当者は「喫食していただければリピート率は高い水準にある。まだピエトロ事態を知らない、ドレッシングだけ知っているという方も多いので、冷凍食品の認知を高めるための取り組みも進めたい」と語った。 〈冷食日報2024年11月25日付〉
食品産業新聞社