「あまりにも意外な味」で大バズり…じつはいま右肩上がりに売れている「胡麻どうふ」、5年前に「すごい革命」が起きていた…!
「胡麻どうふ」と聞くと、ちょっと高級なイメージがある反面、「豆腐なの?」と思うこともあるかもしれません。実は「胡麻どうふ」と一般的な「豆腐」は全く別物。胡麻どうふは胡麻をすり潰して水で溶いた葛粉と合わせて火にかけて練り、型に入れて固めたものです。豆腐は大豆が主原料なので、そもそも材料が違うことにあります。勘違いされやすい「胡麻どうふ」ですが、ここ数年でちょっとした革命が起きています。それを仕掛けたのが「ふじや食品」。2024年9月17日の「2024年ネタマッチ合同ヒット商品発表会」で担当者にお話をお聞きすることができました。 【マンガ】カナダ人が「日本のトンカツ」を食べて唖然…震えるほど感動して発した一言
「胡麻どうふ」市場は右肩上がり
ふじや食品は、胡麻どうふの他に、玉子どうふ、茶碗蒸し、ワンタン、グラタンなどを手掛けています。2023年の時点の商品構成比では胡麻どうふは約16%。茶碗蒸し類が約53%ですから、主力商品は茶碗蒸し類となっています。 その中で今回「胡麻どうふ」を取り上げたのは、ふじや食品がこの食品に革命的な変革をもたらしたから。「おかずとしての胡麻どうふ」から「スイーツとしての胡麻どうふ」へと、新しいジャンルを確立していったのです。 ふじや食品がスイーツとしての胡麻どうふを意識して販売したのは2019年3月です。「くるみ胡麻どうふ」で、白ねりごまにローストしたくるみの粒を加えて、砂糖、しょうゆ、黒みりん、黒糖蜜で甘い味付けにしました。まるでゆべしのような風味です。 実はふじや食品の胡麻どうふの販売数は、2004年から2023年の20年間で約5.2倍に増えています。胡麻に含まれるセサミンの抗酸化作用やアンチエイジングの効果が注目されたのもその一因です。そのような背景もあり、新しいジャンルの胡麻どうふの開発に着手しました。
「くるみ胡麻どうふ」の前には失敗も
2019年に発売された「くるみ胡麻どうふ」ですが、実はその前に「くるみどうふ」「かぼちゃどうふ」が発売されていました。これは甘いおかずという位置付けだったのですが、この時点ではスイーツでもなければ、おかずとしての胡麻どうふでもない状況です。どちらとも取れるものになったので食べ方もさまざまなのですが、消費者もどういう場面で食べたらよいのかわからないですし、そもそも「これは何?」と思ってしまうので、「スイーツとしての胡麻どうふ」が迷走していた時期でもありました。 そこでふじや食品は、どっちつかずの胡麻どうふでは売れないと判断して、振り切ってしまう決断をしました。「スイーツ」に全振りをすることにしたのです。