【40代、50代】瞑想を始めるなら「ひとり、風、火」が整うソロキャンプから!? 【根来秀行教授×高野山大学・松長潤慶副学長】
瞑想によって仕事の生産性が上がる、免疫機能が向上、更年期症状が改善、寿命も延びるかもしれない!といったメリットが語られた根来秀行教授と高野山大学副学長・密教学科教授である松長潤慶さんの2回の対談。最終回の今回は、実際にどうすれば瞑想がうまくいくのか、ついにその方法が伝授される。
雑念も煩悩もあるのは当たり前。追い払おうとするとかえって取りつかれます
いよいよ密教の瞑想を伝授していただきく。前回、お話があったが、密教の瞑想は自然と一体化することを目指すので、本来は自然の中で行ったほうがいいのだろうか。 松長 そうですね。休日に山や川や海を訪れて、自然の中でひとり黙々と歩を進めていると、どなたでも自然とのつながりを感じると思います。それだけでも十分瞑想になりますよ。 ひとりで行くのがポイントということだろうか? 松長 お友達と一緒だとついお話に夢中になったりして、気が散りますでしょ? 確かに。瞑想どころではなくなるかもしれない。 松長 ソロキャンプとか流行ってますけど、ソロ活動は瞑想的には大正解なんです。何度か自然の中で動く瞑想を体験していただいたら、屋内での瞑想にも集中しやすいと思います。家で瞑想する場合は、デジタル・オフして、できるだけ自然の環境に近づける工夫をしてください。屋内での瞑想の最大の欠点は風がないこと。扇風機の人工的な風では意味がないので、瞑想の間は窓を開けて、風を通すようにするといいですね。 密教のお寺ではお香を炊いているが。 松長 お香を炊くのはすごくいいですよ。お好きな香りでけっこうです。 根来 白檀の香りがリラックスする働きがあるといっても、自分にとって苦手な香りだったらかえって自律神経が乱れて逆効果ですから、好きな香りがいいですね。 では瞑想を行うのに適した時間帯はあるのだろうか? 松長 みなさんの活動が始まる前の早朝瞑想がおすすめ。静かだし、空気もきれいですから。そして、瞑想前は呼吸を整えることがとても大切です。根来先生も呼吸の研究をなさっていますよね。 根来 ハイ。僕は脳波、自律神経、ホルモンの動きを総合的に計測して、独自の呼吸法を編み出しました。メジャーリーガーや青学の駅伝チームのコンディショニングにも協力しているのですが、パフォーマンスを上げるには呼吸法が大きなカギになるんです。 松長 今年の箱根駅伝は青学の圧勝でしたね。瞑想前におすすめの呼吸法はありますか? 根来 瞑想前なら4秒吸って4秒止めて8秒吐く「4・4・8呼吸法」がおすすめです。横隔膜の自律神経が刺激されて、リラックスの副交感神経が優位になります。幸せホルモンのセロトニンも分泌され、瞑想に入りやすくなります。 松長 副交感神経が優位な状態で瞑想することで、自然のエネルギーを受けやすくなりますか? 根来 そうですね。不規則でストレスフルな生活をしている現代人は、緊張の交感神経が過剰になりがち。瞑想で自然界にちゃんと向き合うことで、暴走していた交感神経が落ち着き、バランスよく副交感神経が上がって、人間本来の力が引き出されると思います。 ホルモンバランスも安定するので、更年期の不定愁訴などにもいいですよ。