大後寿々花、11歳でハリウッドデビュー。子どもに対する日米の違いに驚き…現場でも「絶対に1日3時間勉強しないといけない」
7歳から子役として活動をはじめ、2005年に公開された映画『北の零年』(行定勲監督)で吉永小百合さんと渡辺謙さんの娘役(少女時代)を演じて注目を集めた大後寿々花さん。 【写真を見る】グ・スーヨン監督の最新作『幽霊はわがままな夢を見る』に出演する大後寿々花さん 同年、11歳にしてハリウッド映画『SAYURI』(ロブ・マーシャル監督)で主人公(チャン・ツィイー)の少女時代を演じ、ハリウッドデビューを飾って話題に。連続テレビ小説『わろてんか』(NHK)、映画『女の子ものがたり』(森岡利行監督)、映画『桐島、部活やめるってよ』(吉田大八監督)など多くのドラマ、映画などに出演。 2024年6月29日(土)から映画『幽霊はわがままな夢を見る』(グ・スーヨン監督)が公開される大後寿々花さんにインタビュー。
小学校1年生で劇団に
神奈川県で生まれた大後さんは、小さい頃からクラシックバレエを習い、踊ることが大好きで活発な子どもだったという。 「とにかく踊るのが好きで、もっとダンスを習いたいってなったときに入ったのが、『劇団ひまわり』でした。ひまわりは、普通のダンスと日本舞踊とか、さまざまなレッスンがあったので、演技とダンスレッスンを受けていました」 ――わりとすぐに『国盗り物語』で舞台に出演することに。 「はい。舞台でセリフはなかったのですが、子どもの頃は結構体調を崩すことが多くて、しょっちゅう熱を出していたので、それが自分のなかでトラウマというか…。学校も行きながら毎日お稽古があったので、結構ハードだった記憶があります」 ――いきなり約1カ月間舞台ですか。 「初めての舞台で所作もルールもわからず…みたいな感じでしたけど、おかっぱのカツラをかぶって、お着物を着てという、日常にはないことだったので、それはすごく新鮮でした。何時になったら羽二重を巻いてカツラを付けに行って…ということが緊張というよりは新鮮で。全部新しいことばかりだったので、新鮮続きみたいな感じでした(笑)」 ――『国盗り物語』の後はわりと頻繁に? 「いいえ、そんなことはないと思います。結構エキストラのお仕事もしていたので。でも、母と一緒にジェットコースターに乗る撮影があったり、学校登校中のシーンでランドセルを背負ってひたすら歩く役だったりとか(笑)」 大後さんは、史実を基に、明治初期の北海道で運命に翻弄されながらも自分たちの国作りに挑んだ人々の姿を描いた映画『北の零年』にオーディションを受けて出演することに。吉永小百合さんと渡辺謙さんの娘・多恵(石原さとみ)の少女時代を演じ、2005年に公開された。 「オーディションでは10何回も連続で落ちたりしたこともあるので、自信がなくて。すごく自信があってイケるかもって思ったのがダメだったり、逆にまったく自信がなかったオーディションに受かったりとか…いつも自分の想像を超えたことが起きるんです。 『北の零年』が決まったときはうれしかったですけど、私よりもしかしたら、おじいちゃんとおばあちゃんのほうが喜んでいたかもしれないです(笑)。私は北海道ロケというのが一番楽しみでした」 ――北海道ロケはいかがでした? 「クランクインが遭難するシーンで、真冬だったんです。それで、現場に行ってみたら『1日にワンシーン撮れるか撮れないかです』って言われて、『そんなことはないよな』と思っていたんですけど、本当に撮り切れなくて。 当時、行定監督はすごくテイクを重ねる方だったので、『これから先どれぐらいかかるんだろう?』って思った記憶はあります」 ――毎回かなりこだわって撮っていたのですか。 「そうですね。天気とかも結構待ったりしていましたね。大雪が見たいとか、もっとパラパラの雪が見たいとか、逆に晴れている日の雪が見たいとか…結構天気にもこだわっていました」 ――吉永さんと手を取り合っての吹雪のシーンがすごかったです。本当に遭難してしまうのではないかという感じで。 「遭難するシーンは湖の上だったんです。香盤表(=出演者の出演シーンや時間などを表にしたもの)を見たら『湖の上を歩く』って書いてあって。 私はそれまで北海道に行ったことがなかったので、湖の上を歩いたら普通に氷が割れて水中に落ちるんじゃないかと思ったんですけど、全然そんなこともなく(笑)。どれだけ重い機材が乗っても崩れることもなく、北海道のすごさを初めて知りました」 ――お母さん役の吉永さんとはどんなお話をされていたのですか。 「撮影当時、私は人生で初めて猫を飼ったばかりだったんですけど、北海道ロケだから離れて暮らさなきゃいけなくて。吉永さんに猫の話をずっとしていたみたいです。吉永さんは、いつも優しく聞いてくれていました。 撮影が終わったあとも毎年お誕生日にプレゼントを送ってくださるんです。私が母の日にプレゼントを送って…というやり取りがずっと続いています、今も。猫のこともずっと覚えてくれていて、その度に『小雪ちゃん(猫)元気?』って聞いてくれていました」 ――ステキなご関係ですね。お父さん役の渡辺謙さんとはいかがでした? 「謙さんは、一緒のシーンが少ししかなかったのですが、当時謙さんが飼っていらした大きいワンちゃんを現場に連れて来られていたんですね。私は動物が好きなので、謙さんのワンちゃんとずっと遊んでいました」