スーパーに55時間居座ったクマ 驚く住民「山もないのにどこから」
秋田市土崎港西3丁目のスーパー「いとく土崎みなと店」に居座り続けたクマは2日、店舗内に仕掛けられた箱わなにかかって捕獲され、運び出された。11月30日早朝に男性従業員(47)が襲われてから約55時間が過ぎていた。 【写真】スーパー店内「立てこもり」クマ捕獲 人里に下りてくる理由は 県警や県、市によると、1日にクマはバックヤード(作業場)にいることを確認。店舗の2カ所の入り口に置いていた箱わなを、4カ所あるバックヤードの扉のうち2カ所の扉の近くに移した。 2日午前4時すぎ、店舗北側の箱わなにクマが入ったとみられ、センサーが反応した。同8時すぎに警察が店舗に入って捕獲を確認した。正午前に麻酔で眠らせた上、電気ショックで駆除され、午後1時20分ごろに箱わなごと店から軽トラックで運び出された。 市によると、山野に放っても市街に戻る可能性があることなどを理由に駆除を決めたという。 11月30日に従業員が襲われた当時、店舗正面の2カ所の入り口と裏側のトラック搬入口シャッターは開いていたが、クマの進入経路は分かっていない。 現場周辺では11月29日夜、国道でクマと車が衝突するなど複数のクマの目撃情報が寄せられていた。 スーパーから約200メートル離れた秋田市土崎みなと歴史伝承館の防犯カメラには29日午後9時ごろの映像で敷地内にクマが映っていた。30日、クマがスーパーに居座ったのを受けて来館者に注意を呼びかけ、1日には「熊出没 注意」の掲示を玄関などに張り出した。 女性職員(56)は「山もないのにどこからきたのか。びっくりしました。通勤は徒歩ですが、怖いのでしばらく車にしようかなと思っています」と話していた。(隈部康弘)
朝日新聞社