大谷翔平の二刀流解禁は5月 ロバーツ監督「5月までは投げさせない」…栗山英樹氏との対談で明かす
ドジャースのデーブ・ロバーツ監督(52)と2023年WBC日本代表監督で日本ハムCBO(チーフ・ベースボール・オフィサー)の栗山英樹氏(63)の新春特別対談が実現した。大谷翔平投手(30)を擁して世界一に輝いたという共通項を持つ2人が大いに語り合った。投手としての復帰時期を心配する栗山氏に、ロバーツ監督は「5月までは投げさせない」と明言。「盗塁は減る」など、25年の大谷二刀流プランを初めて明かした。(取材・構成=柳田 寧子、安藤 宏太、村山 みち) 【写真】顔を見合わせ大爆笑する栗山英樹氏とロバーツ監督 ロバーツ監督(以下ロ) クリヤマさん! ハッピーニューイヤー! こうして対談できてとても光栄です。 栗山CBO(以下栗) こちらこそ! 監督、昨年は日本中が一番、ドジャースの試合を見たと思います。監督のおかげです! 世界一、ありがとうございました。(本拠での)ワールドシリーズ(WS)第2戦で、翔平が(二盗を試みた際に)左肩を脱臼した時、テレビで見ていた僕も胸にグサッとくるものがありました。あの後、本人は「試合に出たい」と言ってきましたよね? 日本ハム時代もどんなけがをしても「出たい」と言ってきたので。あの後、彼を試合に出す、出さないの判断は監督としてすごく難しかったと思います。 ロ 難しかったですよ。彼は出るつもりでいました。(敵地での第3戦に向け)ニューヨークに移動して、打撃ケージでスイングする度に「あ~痛い、あ~痛い」と言ってましたし、患部をテープで固めていました。だから「大丈夫か? プレーしない方がいいのでは?」と言ったら「僕は出ます。どんなことがあっても、出ます」と。シーズン中だったら止めてます。でもWSでしたから。たぶんショウヘイは、右足首を痛め、肋骨(ろっこつ)骨折でもプレーしていたフリーマンの姿を見ていたんだと思います。それで「僕もプレーする」と。 栗 今シーズンは彼の投げて打つを楽しみにしています。監督として気をつけようと思うのは、やっぱり休みの入れ方ですかね? ロ ショウヘイは休みが欲しいと思わないでしょうね。そういうふうに育ててくれて、クリヤマさんにお礼を言わなくちゃ(笑)。 栗 すみません!(笑) ロ 今年は二刀流ですけど、5月までは投げさせないつもりです。(24年シーズン)1年間投げていないのに(25年)3月から10月までずっと投げられませんよ。だから投球回も考えていかないと。彼も分かっていますよ。 栗 そこは監督、お願いします! 慌てないでください。翔平は絶対「早く投げたい」と言うんで。 ロ たぶん、そうでしょうね(笑)。止められるかな…いや、私一人ではなく、医師やトレーナーの力を借りて説得します(笑)。彼の健康、肘の状態を良くしておくこと、そのためには休みを与えなければ。 栗 僕は(日本ハム監督時代に大谷を)休ませるのが難しかったんです。 ロ 彼は昨年最初の頃「あした休んだ方がいいんじゃないか」と聞くと「No No No!」。でも、あまり状態が良くない3連戦(※)で、疲れが出ていたので「あしたは休むぞ」と言ったら「OK」と。彼も分かっているんです、私たちがちゃんと見ていることを。私が見て、疲れている、振りすぎている、と感じたら、休ませます。 ◆打者大谷の現状 11月の左肩手術後はリハビリに専念。ゴームズGMは3日(日本時間4日)に素振りを再開したことを明かし「いい経過をたどっている。春季キャンプも近いので状態を注視していく」と説明した。打者としては開幕シリーズ出場が濃厚。 ◆投手大谷の現状 23年9月に2度目の右肘手術。24年3月にキャッチボール、8月にはブルペンで投球を再開し、150キロも計測した。11月はWSで脱臼した左肩手術で運動が制限されたが、すでにキャッチボールを再開。大谷は3月開幕シリーズ登板に意欲を示していた。 ◆大谷の前回トミー・ジョン手術からの復帰 1度目の手術は18年10月。コロナ禍によるキャンプ打ち切りなどで、投手復帰は術後1年半以上が経過した20年7月。右腕を痛め、同年は2登板のみ。復帰後初勝利は21年4月26日だった。
報知新聞社