北朝鮮、ロシア軍に多連装ロケットシステムなど武器供与か…実戦使用で性能確認
英紙フィナンシャル・タイムズは16日、ウクライナの情報機関の分析として、北朝鮮がここ数週間でロシア軍に対し、北朝鮮製の170ミリ自走砲「M1989」約50両と240ミリ口径の多連装ロケットシステム約20基を供与したと報じた。一部はウクライナ軍が越境攻撃を行っている露西部クルスク州に運ばれたという。
M1989は、北朝鮮が1980年代にイランに供与した自走砲「M1979」の改良版。多連装ロケットシステムは旧ソ連製兵器の改良版とみられる。ウクライナの情報機関によると、北朝鮮は自国製兵器を実戦で使用し、性能を確認したい考えとみられるという。北朝鮮は大量の砲弾や短距離弾道ミサイルの供与も行っている。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は16日のビデオ演説で「北朝鮮はいまやロシアの共犯者として、プーチン(露大統領)の違法な戦争を助けている」と批判した。
ウクライナ軍が一部地域を制圧している露西部クルスク州では、北朝鮮兵1万人以上を含む約5万人の露軍が近く大規模な攻勢をかける可能性が指摘されている。