【ワシントン＝坂本一之】米共和党のトランプ次期大統領は12月31日、自身が指名した閣僚らの議会承認を民主党が遅らせようとしていると自身のSNSで訴え、共和党議員に結束を呼び掛けた。トランプ氏は1月3日から始まる議会を前に、円滑な政権運営に向けた協力を党議員に求めている。 トランプ氏は、上院で行われる閣僚人事などの「承認手続きを民主党が不当に遅らせようとしている」と主張。民主党の妨害を「許してはならない」と訴えた。 トランプ氏は、2024年11月の大統領選と上下両院選で共和党が勝利したことを踏まえ、「われわれは歴史的な大勝利を収め、米国民から負託を受けた」と強調。その上で「解決しなければならない多くの大問題を抱えている」と述べ、1月20日の政権発足に向けて連携を促した。 共和党は上下両院で多数派を占めるが、議席数は民主党と僅差。過去の性的暴行疑惑などが報じられた国防長官候補のヘグセス氏に関して党内から懸念が出るなどしており、人事を巡って一部の共和党議員が反対すれば承認手続きが難航することになる。 トランプ氏は共和党議員に対し「賢く、タフになれ！」と呼びかけ、党内対立を回避して民主党と対峙するよう求めた。 トランプ氏は前日の12月30日にも、1月3日に実施される下院議長選に関して共和党のジョンソン氏の再選を支持するとSNSで表明。ジョンソン氏に反発する党議員に結束を求めていた。 一方、トランプ氏は12月31日、南部フロリダ州の私邸で記者団に対し、死去したカーター元大統領（民主党）の国葬に出席する意向を示した。国葬は首都ワシントンで1月9日に執り行われる。