V逸・巨人に問われる秋季キャンプのあり方。原監督は心を鬼にして選手を鍛え上げろ!【堀内恒夫の悪太郎の遺言状】
長嶋監督のぶら下げた人参で地獄の伊東キャンプを乗り切る
今季は不振に苦しんだ時期も長かった岡本和。まだまだ徹底的に鍛え直す余地がある
今年も日本シリーズを終えて、各チームの秋季キャンプが佳境を迎えている。秋季キャンプは終わればすぐにシーズンオフが控えているから、選手たちをとことん追い込める。これが開幕を約2カ月後に控えた春季キャンプとの大きな違いだね。 それが、2年連続シリーズで日本一を懸けて戦ったヤクルトとオリックスは別として、目標達成できなかったほかのチームが、来季を目指して秋季キャンプに熱を入れて取り組む理由だよ。秋季キャンプの成果が、各チームの来季を占うことは言うまでもない。 草創期の巨人も、1936年9月5日から藤本定義監督の下、沢村栄治さんらの主力選手を群馬県館林市にある茂林寺の分福球場に集めて、徹底的に鍛え上げたという歴史がある。伝説の1000本ノックという言葉も、あのときに生まれたというからね。 それに続く伝説の秋季練習は、長嶋茂雄さんが監督だった79年オフに行った伊東キャンプだね。このときにまだ俺は現役で31歳だったけど、もうベテランの域に達していたから、連れて行ってもらえなかった。 地獄の伊東キャンプへ参加したメンバーを、いま下記に明記してみたいと思う。 投手は江川卓、西本聖、鹿取義隆、角三男(盈男)、藤城和明、赤嶺賢勇。捕手は、山倉和博、笠間雄二。内野手は、篠塚利夫(和典)、中畑清、河埜和正、山本功児、平田薫。外野手は、中井康之、松本匡史、二宮至、中司得三、淡口憲治ら少数精鋭の計18人。数年後の巨人を背負って立つメンバーだったということがよく分かるね。 その証拠に彼らは、長嶋さんが翌80年オフにそのシーズンで優勝できずにユニフォームを脱ぐと、さらに翌81年に監督就任した藤田元司さんの下で、4年ぶりのV奪回を達成したときに主役となる男たちだ。 秋季伊東キャンプは・・・
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週刊ベースボール