ホンダ・日産の経営統合でクルマはどう変わる?カギ握るホンダのハイブリッド技術、説明会が「ギリギリ」だった理由
(桃田 健史:自動車ジャーナリスト) ホンダと日産自動車が持ち株会社を設立して経営統合するとの報道が18日未明に一斉に流れた。 【写真】経営統合した場合にクルマづくりのカギになるか?ホンダの次世代ハイブリッドシステム「e:HEV」 これを受けて、ロイター通信では「将来的な協業についてさまざまな可能性を含めた検討を行っている」という日産広報部のコメントを紹介。また、ホンダについては出社前の三部俊宏社長をテレビ朝日らが直撃取材し「経営統合を否定しなかった」と報じるなど、裏取り取材を含めメディア各社は情報の確認・収集に奔走している状況だ(本稿執筆の18日午前時点)。 近く、ホンダと日産からは何らかの形で正式な情報開示があるものと見込まれる。 その上で、両社に対する筆者のこれまでの取材体験をもとに、ホンダ・日産、さらに三菱自動車が経営統合した場合の「クルマづくり」について考察してみたい。 それにしても、まさかこのタイミングでホンダと日産の経営統合の話が表に出るとは思わなかった。 まさに、サプライズだ。 両社は次世代技術や一部車種の相互補完などについて、複数のワーキングチームを組んで協議してきたが、その詳細については明らかにされてこなかった。 そうした中、筆者は18日の報道の4日前、栃木県内のホンダ関連施設で「Honda e:HEV Biz & Tech Workshop」を取材した。 ホンダ独自の2モーター式ハイブリッドを搭載する「e:HEV(イーエイチイーブイ)」の次世代化に対して詳しい説明を受けたのだ。 その際、2025年発売予定の新型「プレリュード」プロトタイプや、現行「ヴェゼル」に次世代e:HEVシステムを搭載した実験車両にも試乗し、ホンダが主張する商品としての「ホンダの個性」を強く感じた。 同日は、朝から夕方まで同関連施設にいたため、ホンダの四輪事業本部長やエンジン開発総責任者などのホンダ幹部や、次世代技術を開発している多くのエンジニアと意見交換することができた。 その中で、「ホンダと日産との協業を踏まえたワーキングチームの話し合いは今、どうなっているのか?」と聞いている。 それに対して、ホンダ幹部らからは「(特に目立った)話し合いはない」といった回答があるだけ。 確かに、この件については、この場では“あまり話したくない”という雰囲気があり、どこか不自然な印象があった。