<リオ五輪速報>男子マラソン、日本の3人は惨敗、入賞もならず!
24キロを過ぎたところで2時間4分24秒のタイムを持つテスファエ・アベラ(エチオピア)がリタイヤ。小さなペースの上げ下げに加え、雨は止んだが気温が徐々に上がり苦しいコンディションなのだろう。 石川も少し先頭集団から引き離され始める。佐々木は、先頭集団の中で好位置につけていたが、キプチョゲがペースを上げると、27キロ地点を過ぎるあたりで先頭から遅れた。 30キロ地点を過ぎるとレミ・ベルハヌ(エチオピア)が前に出て一気に先頭集団がばらけた。2時間4分33秒の持ちタイムを持つ選手だ。ペースアップに反応してついていけたのは、キプチョゲ、フェイサ・リレサ(エチオピア)、ゲーリン・ラップ(米国)の3人。33キロ手前で、キプチョゲが、さらにピッチを上げて仕掛けると、ベルハヌが先に脱落。35キロ過ぎの給水地点で、1万mにも出場して入賞していたラップが遅れて、金メダル争いはキプチョゲとリレサのマッチレースとなった。キプチョゲは、トップ争いが2人だけになったことを確認すると、すぐさまスパート。ギアを入れ変えてリレサをみるみる引き離す。36キロを過ぎると、もう一人旅となった。快調に飛ばしたキプチョゲは、そのまま2時間8分44秒でフィニッシュ。 北京五輪の5000mで銀メダルを獲得したスピードを生かして、2013年にマラソン転向した31歳。7戦6勝の実績を作り、マラソンでは五輪初出場となったが、スロー→高速のスピードの変化に富んだレースをぶっちぎりのスピードでコントロールして見事な金メダルを獲得した。 銀メダルはリレサ、銅メダルはラップ。
レース後、佐々木と石川は、並んでインタビューに答えた。 佐々木は、「16位は、あんまり納得できるものではないですが、本当は、もっと上を狙っていきたかったのですが、ペースが上がったときに、余裕をもてなかった。力を出し切ることが目標だったが、それができたかと聞かれると、まだまだ。沿道の方々の応援があったおかげで走り切れました。給水所が(ペースの上げ下げが)ひどくて、ペースの上げ下げが細かくありました」と、悔しそうな表情を受かべた。 五輪とは何だったのか? と聞かれて、「沿道の皆様の応援がすごくて、ブラジルの方にも佐々木と応援してもらいました。その中で走れたことは、光栄で嬉しいことですが、もっと結果を求めて上を目指したかったです。結果でお返しをすることはできなかったですが、皆さんの応援があったからこそ走りきれた」と結んだ。 36位に終わった石川も、時折、悔しさをのぞかせながらも、サバサバとレースを振り返った。 「入賞するという目標を持っていたが、惨敗のような結果、ペースの上げ下げがあるとはわかっていたが、対応できずに、力不足でした。自分のペースを守っていこうと、焦りはなかったが、思った以上に、前半に足を使ってしまった。(序盤は好位置をキープ?)給水の10キロ手前を先頭で回ると、ロスがないことを意識していました。目立とうじゃなく、そういう戦略でした。ここまで続けてきて、僕にたずさわってくれた方々の支えがあって、ここに立てたので、皆さんにお礼を言いたいです。納得のいく結果で、お返しはできなかったのですが、42.195キロを気持ちを切らさずに走れたので感謝したいです」 足をひきずって取材スペースに現れた北島は疲労困憊だった。 「いま終わって、結果はこんなんですけど、まあ、良かったです。嬉しいって、変ですけど、やり遂げたという気持ちです。日本の方のたくさんの応援が聞こえましたし、外国の方からもジャポンとか、ありがとうという声が聞こえたり、名前を呼んでくれる人もいて、すごく元気が出ました。離されて、勝負では不甲斐ない感じですが、最後まで出し尽くそう、やり遂げようと考えて走ることができました。苦しいこともあったんですが、みんなの支えを強く感じた大会だったので経験できてすごく幸せです」と、途中、何度も言葉をとぎらせながら答えた。