「許せることが増えるんです」 侍J世界一に貢献の渡辺俊介、指導者になって分かった海外野球に触れる“意味”
日本なら怒られることでも「こんな見方もある」引き出しに
世界には様々な野球があると知っていると「日本だったら怒られるだろうな」と思うことでも「こんな見方もあるんだと思えるようになる」のだという。豪州との試合で、かずさマジックのベンチでは相手選手の動きが話題となった。「野球以外のスポーツをやっていると思うんですよね。そういう動きが見えるんです」。そこをただ見過ごさないことで、考える材料が増える。選手の成長のタネになるのだ。 「フォームの形や、プレーの考え方にしてもそうです。海外の野球は長所も短所も極端なんですよね。でもそれは相手が嫌だなと思うことにもつながるので」 9日、10日には、日本代表が強化試合「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2024 日本vsチェコ」をバンテリンドームで戦う。これにも渡辺監督は「野球をアメリカとアジアだけでやっていても発展しない。今野球がない国も含めて、どんどん広げていかないと」と大きな期待を込めている。 日本代表は2021年の東京五輪、さらに昨春のWBCと主要な国際大会を無敗で駆け抜け、優勝し続けている。渡辺監督は現役当時の“世界向け”の調整を振り返り「マウンドとボールに合わせる調整はしていましたけど、今はそれも近づいている。国際球ならそんなに滑ることもないですし、台湾での試合なら日本人にはやりやすいでしょう」と侍の戦いを占う。 「日本らしく戦えば、おのずとチャンピオンになれるのではないかと思います。井端さんも大変だと思いますが、スキのない野球を見せてくれるのではないでしょうか」。世界の野球から様々なヒントを得て、さらに日本の野球が発展していくのを願っている。
THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori