岸田総理の「トップ・プライオリティ」は日本経済ではなく、「9月の総裁選を乗り切るため」の方策
ジャーナリストの須田慎一郎が2月27日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。今後の経済政策の在り方について解説した。
日経平均株価の史上最高値更新を受け、経団連・十倉会長がコメント
2月22日、日経平均株価が史上最高値を34年ぶりに更新した。26日の終値は、連休前の22日比135円03銭高の3万9233円71銭となり、2営業日連続で最高値を更新した。経団連の十倉会長は定例会見で次のように分析した。 ―– 十倉会長)株価がずっと続くかどうかは1つの事象だけでは判断できませんが、大元には日本が成長と分配の好循環に動き出したということの評価も小さくはないと、かなり大きいものがあると思います。 ―– 飯田)市場では今週、史上初の4万円台に乗るかどうかが注目されています。先物の数字などを見ると、そろそろ利益確定もあるのかどうかという流れです。
「天井に近い」という見方もある
須田)2月23~25日の3連休期間中の先物は、500円ほど上がっていたのですが、26日の株価はそこまでいってはいませんでした。先物までは上がらなかったことを受けて、「そろそろ天井に近いのではないか」という見方もあります。 飯田)先物まで上がらず。 須田)ただ、経団連・十倉会長の言うように、成長と分配の好循環という状況に入っているのかどうか。つまり、一言で言えば「いい物価上昇」の状態です。賃上げを伴ういい物価上昇、いいインフレ局面へ入っていき、企業業績が実質的によくなるかどうかという状況だと思います。
総需要が供給能力を上回るためには政府が積極財政を行う必要がある
須田)大前提として、総需要が供給能力を上回る必要がありますが、いままさに正念場だと思います。もちろん民間セクターの需要は旺盛ですので、順調に推移していけばいいのですが、背中を押すような形で公的セクター、つまり政府が需要を拡大させ、積極財政を行う必要があるのではないでしょうか。 飯田)最近発表されている国内総生産(GDP)の数字だと、直近では10~12月期の1次速報が発表されたばかりですが、内需は前年同期比で若干マイナスになっていますものね。 須田)そこが問題なのです。企業も個人もお金がないわけではないので、消費に向かうよう誘導していけばいい。来年度予算もさることながら、次々年度である2025年度予算がどんな形になるのかも1つのポイントだと思います。