「卒業生の6割が東大へ」“日本一の進学校”筑駒高の野球部で強豪を撃破…《東大野球部→銀行マン》のエリートが監督就任で感じたこと
言わずと知れた日本の大学の最高峰である東京大学。その野球部も強豪ぞろいの六大学リーグで奮闘が話題になることもしばしばだ。そんな野球部OBがこの4月、激戦区で名高い神奈川の野球強豪校の校長に就任したという。銀行マンとして30年以上活躍してきた“超エリート”が教育の世界へ足を踏み入れたキッカケには、あの「日本一の進学校」での野球部指導の経験もあった。<NumberWebインタビュー全2回の2回目/最初から読む> 【写真】「卒業生の6割が東大進学…!」でも甲子園経験のある強豪校を撃破…朝木氏が昨年まで監督を務めた“日本一の進学校”筑駒高での練習風景&朝木氏の現役時代の活躍も見る この4月、横浜隼人高校の校長に就任した朝木秀樹さんは、高校野球の試合が開催される保土ヶ谷球場にやって来た。朝木さんは、横浜隼人中学・高校の校長に就任したのと同じタイミングで、神奈川県高野連の副会長の重責にも就いていた。 春の神奈川県大会・準々決勝。 この日出場するのは、横浜高、慶應義塾高、東海大相模高に桐光学園高。球場は、訪れたファンであふれかえっていた。
六大学リーグでは4本塁打と活躍した東大時代
朝木さんの野球のキャリアは、「東大OB」という珍しさのほうが先行してしまっているようだが、「選手」としての実績という裏付けがあるのが、すごいところだ。 中学から大学まで、キャッチャーひと筋。 今は「1勝」がなかなかできない東大野球部で、4年間のリーグ戦で24勝ということは、平均しても1シーズン3勝しているのだから、間違いなく「快挙」だろう。 当時バッテリーを組んでいた大越健介投手(新潟高)は、NHKの記者を経て、現在は、テレビ朝日「報道ステーション」のメインキャスターをつとめる、あの真面目そうなメガネの紳士だ。 朝木さん自身も東京六大学リーグ戦で4本塁打をマークしたが、ただの「4弾」じゃない。ソロホーマーに、2ラン、3ランに満塁ホームランまで。「サイクルホームラン」を記録している。 法政大に西田真二(投手→外野手・PL学園)、木戸克彦(捕手・同)、小早川毅彦(一塁手・同)、明治大には竹田光訓(投手・日大一高)、広沢克己(一塁手・小山高)……ドラフト上位でプロに進み、やがて球史にその名を残すことになる精鋭たちがひしめいていた時代の「東京六大学」でのことなのだから、東大・朝木秀樹捕手だって、ただ者じゃなかったわけだ。 「相手は強かったですよ、特に、法政と明治はね。普通は、ビビるでしょ? でも、僕ら、ビビッてるヒマなんかなかった。相手のデータを全力で集めて、徹底的に研究して『小早川さんは初球のヒザ元の変化球に手を出してくれるからファール打たせてカウント稼ごう』とか、『剛速球とフォークの竹田はどう攻略するんだ』とかね」 やるべきことに集中して、とことん全力を尽くせば「相手が怖いとか、そういう不安なんて入り込んでくる隙はなくなる」と朝木さんは振り返る。 「だからね、面白かったですよ。オープン戦で他リーグの相手と試合するでしょ。そうすると、東大ってボロ負けなんですよ。相手のデータがないから」 なんだか、「戦い方の本質」に触れているような気になってくる。 「そういうことを『筑駒』でも、ずいぶん活用しましたね。去年までは」
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