東武日光線「合戦場」から「樅山」までの駅名何と読むのか? 特急が通過する「難読駅区間」の地名に深い歴史
合戦場駅をはじめとする8駅を管轄する、東武日光駅管区新鹿沼駅長の佐藤将泰さんは次のように教えてくれた。 「合戦場駅は東武宇都宮線の野州平川駅とも近く、栃木市内や宇都宮方面、また都心へと通勤する方も少なくありません。その後は北に行くごとに少しずつのどかになってゆく、という感じですね。お隣の家中(いえなか)駅も周辺は住宅地です」(佐藤駅長) 家中駅はちょっと変わった構造で、ホームは1面。駅の東西とホームとの間は跨線橋で結ばれているのだが、改札口(というか簡易IC改札機)があるのはホームの上。つまり、東西を結ぶ跨線橋は自由通路を兼ねている。なかなか変わっているが、駅の周囲はそこそこに開けた住宅地で、このあたりまでは栃木の市街地が続いている。
■家中駅と東武金崎駅 そして、お次が東武金崎(かなさき)駅だ。この駅は、佐藤新鹿沼駅長が預かる駅の中では数少ない有人駅。古いながらも立派な駅舎が駅の東側にあり、駅前には自販機が並んでいる商店、またかつて貨物を扱っていた時代の名残だろうか、大きな蔵も線路沿いにあった。 ホームは島式が1面だけだが、特急列車の待避駅になっていて、駅構内は“複々線”。颯爽と特急列車が駆け抜けていった。 「いまは栃木市に合併されていますが、かつては西方町の中心だった駅です。少し東に歩いた思川の河川敷は春になると桜の名所。東武日光線が思川を渡る橋のたもとにはかっぱ広場もあって、撮影の名所になっているようですよ」(佐藤駅長)
思川は古くから舟運でにぎわった。そうした川の流れる町にはかっぱ伝説はつきものということなのだろうか。取材で訪れた時にはちょうど雨。なので足が鈍って思川までは足を運ばなかったが、もしかしたらかっぱに会えたのかもしれない……。 ■開業記念碑が建つ楡木駅前 などという冗談はともかく、東武金崎駅を出てからは、いよいよ“日光”の気配が近づいてくる。佐藤駅長も「思川の鉄橋を渡ると、どんどん山が近づいてくる印象ですよね」と話してくれた。