ドイツ右翼が首相候補擁立 「お疲れ様です」日本語で話すワイデル氏
ドイツで勢力を拡大している右翼政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が、来年2月に見込まれる総選挙に向けてアリス・ワイデル共同党首(45)を初の首相候補に指名する見通しになった。 【画像】揺らぐ国是 ドイツ右翼の台頭 ドイツの主要政党は、「選挙の顔」として首相候補を据える。AfDは2013年結党の新興政党で、ナチスの過去から右翼の台頭を強く警戒してきたドイツでは根強い反発もある。しかし、世論調査では支持率2位につけており、首相候補指名は主要政党の仲間入りをしたという自信の表れとみられている。 ワイデル氏は経済学博士号を持ち、金融機関勤務などを経て、AfDが躍進した2017年の総選挙でドイツ連邦議会議員に初当選。2022年からAfDの共同党首を務めている。排外主義的な主張が目立つ党内では、比較的穏健な立場とされる。 ワイデル氏によると、20年余り前に東南アジア研究に関する奨学金を得て北海道の大学で日本史などを学んだという経歴の持ち主。朝日新聞が取材した際には「私はちょっと疲れています。休んだ方がいいですね」「お疲れさまです」などと日本語で話していた。 ドイツでは、予算方針をめぐる対立からショルツ首相率いる連立が11月はじめに崩壊。総選挙が早まる見通しだ。一方、移民排斥などを強く主張するAfDは9月の地方選挙で州レベルで初めて議会第1党になるなど、勢いを増している。(ベルリン=寺西和男)
朝日新聞社