柳田植物公園に大型遊具 来春、子どもの遊び場確保 能登町9月補正予算案
能登町は来春をめどに、柳田植物公園に大型遊具を備えた子どもの遊び場を整備する。町内の公園は遊具が老朽化し、一部の体育施設に関しては能登半島地震を受けて仮設住宅が建設されて利用できなくなっており、町民から子どもが安心して遊べる場の整備を求める声が出ていた。親子連れにとって魅力的な空間とし、震災後に加速している人口流出を抑え、新たなにぎわいを創出する。 6日に開会する町議会定例会議に提出する9月補正予算案に事業費約1億円を計上する。 ●滑り台やロープ 遊び場はレストラン西側の旧バーベキュー広場を含む約5千平方メートルに整備する。大型遊具は高さ6メートル、幅は最大で17メートル、長さは最大28メートル。複数の滑り台やトンネル状の通路、ターザンロープなどを備える。 三つの区画を設け、大型遊具を設けるセントラルゾーン、幼児向けの滑り台などを置くチャイルドゾーン、芝斜面を滑降できる斜面ゾーン(いずれも仮称)とする。 町は昨年8月、柳田植物公園の魅力向上を目指し、町内の小学生の保護者を対象にアンケート調査を実施。大型遊具やターザンロープなどを希望する意見が多かった。 調査結果を基に保護者の代表や金沢工大、石川高専の教員を交えた意見交換会で協議し、昨年末に整備方針を決めていた。 地震発生で事業着手を見合わせていたが、5月に町内と金沢市で計15回開かれた町復興まちづくり意見交換会の出席者から「子どもが安心して遊べる場が少ない」「魅力的な遊具を設けてほしい」との声が相次いだため、予算計上を決めた。 町内では地震後、人口減少が進んでいる。住民基本台帳に基づく人口は元日時点で1万5187人だったのに対し、8月1日時点で605人減の1万4582人となり、減少幅は前年同期比で2・3倍に上った。 町ふるさと振興課の担当者は「子どもたちが元気に遊べる場所の確保は重要だ。交流人口の拡大にもつなげたい」と話した。