野放し状態の「電動キックボード」をどうにかせい! 信号無視、酒気帯び、逆走、歩道爆走、ふたり乗り......
「これらを前述の4種類(四輪車、単車、自転車、歩行者)で考えると、電動キックボードは単車に該当します。さらに、原動機付自転車の最高時速が30キロであること、自転車の時速が15キロ程度であると想定されていることも併せて考えると、自転車や歩行者に近い過失割合となる可能性も十分にあります。 なお、最高時速が20キロを超える場合は一般原動機付自転車になり、明確に単車となります。 いずれにせよクルマに乗って電動キックボードと事故を起こすと、クルマのほうが不利になります。 例えば、交差点でどちらも赤信号のときに四輪車と単車が出合い頭の事故を起こした場合、四輪車の過失は6割、単車の過失割合は4割。電動キックボードでもこれに近い過失割合になるでしょう」 仮に電動キックボードの運転者が酒気帯び状態で信号無視をしてクルマと接触したらどうなるのか? 「過失割合において、飲酒は2段階に区別されています。酒気帯び運転と酒酔い運転で、酒気帯びだと著しい過失に、酒酔いだと重過失に当たり、どちらも過失割合で不利に扱われ、特に重過失のほうが不利となります。酒気帯びと酒酔いは、呼気中のアルコール量等で区別されており、要するに酔っている程度の問題です。 前述の双方赤信号の交差点の例で見ると、著しい過失なら1割、重過失なら2割、事故の責任が増えます。事故の態様によって、この修正割合も変わってくるため注意が必要なのですが、どちらも信号無視して事故を起こしたとき、電動キックボードが酒気帯びならばようやく50:50になる可能性が高い」 電動キックボードが信号無視したら? 「交差点での出合い頭の事故、四輪車が青信号で電動キックボードが赤信号の場合の過失割合の相場は、電動キックボードを単車と考えるなら四輪車0で、電動キックボードが100の割合です。 信号無視はそれだけで責任の程度が跳ね上がります。ただし、仮に電動キックボードを自転車と考えるなら、四輪車が20、電動キックボードが80になります。クルマが有利とはいえますが、2割も過失を認められてしまいます」 なお、今回の過失割合は、交通事故を極めて単純化した場合の数字なのであしからず。