「独自政策の財源に」ふるさと納税で人口減止めた酪農の町 上士幌・竹中町長
小さな自治体が実験的な取り組みに使える財源
「新しい政策にチャレンジするのも、ふるさと納税だからできる」。竹中町長はこう強調する。 現在、町では将来的な地方の交通問題を見据え、ふるさと納税の寄付項目に、自動運転バスの購入や運行の実現に向けた取り組みを加えている。もしこうした政策を一般財源で対応しようとしたら賛否が出る可能性もあるが、ふるさと納税であれば可能だというわけだ。 「人が動くことで経済は回る。地域経済の活性化の重要なポイントの一つになる。そういう将来に向けた課題への取り組みは、小さい自治体であれば実験的にできる」。自治体が自由な財源を手にすることのできる意義を語った。 ■竹中貢(たけなか・みつぎ) 北海道上士幌町町。71歳。 北海道留萌(るもい)管内羽幌(はぼろ)町生まれ。北海道教育大釧路校卒、1971年に上士幌町役場入り。社会教育課長などを経て、2001年の町長選で初当選した。行政実績が多くの町民に高く評価され、2017年3月には上士幌町で初めて5選を果たし現在に至る。