話題の漫才師・センチネル「ロング缶を飲みながらフジテレビを見上げた日々」
◇今年の賞レースは過去イチの手応え ――近年、大型の賞レースで名を連ねているセンチネルさん。結果を出すために取り組んできたことはありますか? 大誠:毎月、新ネタを4本おろすライブをやっていますね。 トミサット:「片っ端から上の先輩を呼び、緊張する場でネタをして、漫才の精度を上げていく」というライブなんですけど、それをやり始めてから、ちょっと良くなった気がします。去年からやってきて、今年の8月で一旦終わらせるんですけど。 ――8月で終わらせたのは何か意図があったんですか? トミサット:『M-1グランプリ』の予選中に、新ネタライブをやるのがめんどくさくて(笑)。 大誠:賞レースで出すネタを叩く(調整した)ほうがいいっていう考えだと思います。 ――あえて先輩を呼んで、緊張する場でネタをやるって珍しいですよね。 トミサット:同期だと楽しいので緩くなっちゃうんですよね。ライブシーンで知ってもらえるようになってきたからなのか、話したことのない先輩でもオファーをしたら来てくれることが多いです。 大誠:本当に先輩方は優しいです。 トミサット:人情がありますね。「自分もそういうときがあったから」って来てくれます。 ――すでに『M-1』の予選がスタートしています。今年こそは! という気持ちではないでしょうか。 大誠:そうですね。調子こいてるとかじゃなくて、2年ぐらい前から先輩に「今年はいける」と言ってもらえていましたし、去年、初めて3回戦に行けたので、今年はさすがに良い成績を残したいですね。 トミサット:『ツギクル芸人グランプリ』とか、呼んでもらったライブのおかげで、センチネルのスタイルを認知してもらえているというか。全国的にはまだまだなんですけど、『M-1』のお客さんには知ってもらえていると思うので、良い具合に行けるんじゃないかと思います。今年は過去イチの手応えがありますね。 ――現在、『深夜のハチミツ』のメンバーとしても活躍中です。出演してみていかがですか? トミサット:先輩後輩含めて、“ここで売れるぞ”というヤツしかいないのでエグいですね。たとえば“誰かが沈黙したときに言おう”と思ったことも、思いついた瞬間に言わないと、流れてすぐ次の展開に行っちゃう。スピード感がすごいです。 ――大誠さんは「ユニット番組でのツッコミ」というポジションです。他のコンビのツッコミもいますし、なかなか難しいのでは? 大誠:そうですね。そもそも、今のお笑い界はツッコミがボケることが多いので、まっすぐツッコミを入れることが、今の時代に合っているのかわからないんですよ。ただ、まっすぐならではの出方もあるだろうし、出なきゃいけないなとは思っています。まだ模索中です。 ――ネタ以外での「テレビのお仕事」について、どんなことを感じていますか? 大誠:別にうまくいったことなんてないんですけど、“頑張ろう”という気持ちになります。テレビの仕事に出させてもらうと前向きになれるんですよ。昔は仕事ゼロだったし、どうすれば売れるのか、何をしたらいいのかわからなかったんですけど、目指すものが見えると頑張れる。今のところスタジオで太ってるだけの日もありますけど(笑)。 トミサット:『めちゃイケ』とか『はねトび』とか、昔から若手のユニット番組が好きで出たいと思っていたので、本当にうれしいです。ただ、いざ出てみると、鼻をほじりながら見ていたテレビも、裏にはいろんな努力やいろんな思いがあったんだな、と痛感していますね。 大誠:別に鼻ほじってなくていいけど。 ――(笑)。 トミサット:昔、大門でバイトしていたんですけど、帰り道にフジテレビが見えるんですよ。そこでロング缶を飲みながらデカい球体を見て“フジテレビに出てえな~!”と眺めていたんで、いま自分たちがその中にいるのはめちゃめちゃ感慨深いです。 目標の場所にいるからこそ慢心せずにいたいですし、今は事務所のおかげとか、若手だから出させてもらうことも多いので、“センチネルじゃなきゃいけない”というステージに早く行きたいです。 大誠:「センチネル」というものに説得力がほしいですね。 (取材:浜瀬 将樹)
NewsCrunch編集部