米議会、つなぎ予算可決で政府閉鎖回避 債務上限巡るトランプ氏の要求盛り込まず
(CNN) 米連邦議会は21日未明、つなぎ予算案を可決した。下院の共和党指導部はこれに先立ち、債務上限を巡るトランプ次期大統領の要求を予算案から削除。共和党を率いる立場にあるトランプ氏だが、議会への影響力の限界が浮き彫りになった。 20日夜の下院に続き、上院も21日午前0時過ぎ、政府予算を3月まで延長する法案を可決した。災害救援費や農家への支援を提供する内容だが、トランプ氏が共和党議員に対処を求めていた債務上限停止は盛り込まれていない。あとはバイデン大統領が法案に署名して成立させる必要がある。 トランプ氏が今週、与野党の合意した当初案への反対を表明したことで、政府閉鎖回避の取り組みは難航。共和党議員は打開策を見つけるため奔走していた。 トランプ氏の反対を受け、下院共和党は超党派の予算案を白紙化し、民主党議員の怒りを買っていた。共和党主導の下院は20日、債務上限の2年停止を盛り込んだトランプ氏の支持する予算案の可決を試みたものの、これは失敗に終わった。 民主党は共和党の進める債務上限停止はトランプ氏の税制案の通過を助けるものだとの主張から、この予算案に消極的だった。ただ、トランプ氏の支持する法案に反対票を投じたのは民主党議員だけでなく、多数の下院共和党議員も否決の動きに同調した。これにより混乱の24時間が始まり、議会は政府閉鎖に向かうかに見えた。 最終的には、ジョンソン下院議長が債務上限停止を盛り込まないつなぎ予算案を本会議で採決にかけ、膠着(こうちゃく)状況を打開。賛成366、反対34で可決した。民主党議員1人が賛成でも反対でもない「出席票」を投じ、反対票はすべて共和党議員のものだった。上院での採決の結果は賛成85、反対11だった。