モアラビーチには遊びにくるジュゴンもニューカレドニアの素顔に出会う旅
村を訪問するときには酋長に贈りものを渡すのがマナー
ティオの町からクルマで数分走り、このあたり随一の美しさと評判のモアラビーチへ。 サンゴの塊が転がっているビーチを、背の高いヤシの木が縁取り、その背後にはマンゴーやジャックフルーツなどの木々が茂っています。日よけになる小屋もあり、地元の人もピクニックなどに訪れているようです。とはいえ、やはり混雑とは無縁そう。この静かなビーチにはジュゴンも遊びにやってくるそうです。 モアラビーチを後にして、海岸線をなぞるようにドライブ。道の左側には紺碧の南太平洋がキラキラと輝いています。欄干のない橋やガードレールのない断崖など、アドベンチャーな場所を乗り越えつつ、走ること約30分。美しい湾に面した先住民カナックのポートブーケ族の村に到着。 ニューカレドニアでは先住民のカナックの村を訪れる際、まずは酋長さんに挨拶をします。村の人々と訪問者が二手に分かれて向かいあい、真剣な表情で互いに接遇と訪問の口上をのべ、訪問者からは布やたばこなどの贈りもの(クチューム)を贈呈。この儀式を経て、ようやく村に迎えられるのです。 村ではカナックの特別な日のごちそう、ブーニャがふるまわれました。これはバナナの葉にくるんだ魚や肉、タロイモやバナナ、野菜にココナッツミルクをかけ、焼けた石を敷いた土中に埋めて蒸し焼きにする料理。香ばしい匂いとホクホクとした食感、やさしいココナッツの味わいのシンプルな料理です。
素朴な村も首都ヌメアも、それぞれの魅力を楽しんで
食後にはヤシの葉で帽子を編んでくれたり、浜辺で投網漁を見せてくれたりなど、村の暮らしを紹介してくれました。子供たちは訪問者が珍しいのか、人懐っこく笑いかけてくれて、ピースな時間が流れていました。ちなみに、こうしたカナックの村を訪れる際には、事前に予約が必要です。 カナックのポートブーケ族の村から、首都ヌメアへはクルマで約2時間弱。ヌメアへ戻る途中、郊外にある大型ショッピングモールに立ち寄ると、フランスからの輸入チーズやワイン、食材がずらりと並んでいました。素朴な海辺の村もステキだけれど、ニューカレドニアのフランス的美食も、それはそれで魅力的。あらゆる楽しみ方ができるのがグランドテール島です。 グランドテール島東海岸 ●アクセス ヌメアからクルマで周遊。 ●おすすめステイ先 ティオにホテルはないため、ドミトリーや民宿泊を利用 【取材協力】 ニューカレドニア観光局 エアカラン 古関千恵子(こせき ちえこ) リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること30年あまり。 ●オフィシャルサイト
古関 千恵子