HySE「一番いい成績を残したい」水素燃焼エンジン2年目の進化みせる 【ダカールラリー・車検第1日】
◇第47回ダカールラリー 車検第1日 1日 ビシャ(サウジアラビア) ペン=田村 尚之 カメラ=多賀まりお 環境技術を磨く「ミッション1000」クラスに、昨年に続いて参戦する「HySE-X2」も検査を受け、搭載する水素燃焼エンジンの進化をアピールした。 2輪メーカーのエンジニアを中心に一昨年に設立された「水素小型モビリティ・エンジン研究組合(HySE)」が、2年目の挑戦に臨む。初挑戦のX1から水素タンクを1本増の4本にして容量アップし、航続距離の拡大と最高出力アップを目標に掲げた。 スズキから参加の甲斐大智プロジェクトリーダーは「エンジン全開で(ルートの)100%を走り切るのが目標。一番いい成績を残したい」と宣言した。昨年は設定距離の90%にとどまり、ポイント制で争うクラスで4位。その雪辱に燃える。 ドライバーは昨年大会に2輪で挑み、自身14年ぶりの出場を果たした池町佳生。「次世代の研究に携われて光栄。自分のダカールでの経験を生かし、開発のお手伝いをしたい」とやる気満々だ。2輪では日本人最高の10位を2000年に記録し、4輪でも04年に市販車クラスを制した豊富な経験を、水素エンジンの開発に費やす覚悟だ。 HySEからのエンジニアは甲斐リーダーを除いて4人。2輪メーカーのカワサキ、ホンダ、ヤマハと、水素エンジンの開発で先行するトヨタ自動車から1人ずつ派遣された。ただ1人、2年目を迎えた甲斐リーダーは「チームを率いる立場は緊張するが、新しいことに挑戦するのが大好き。目標を達成して、新たな課題も見つけたい」と力を込めた。
中日スポーツ