なぜ高額なまま別れ? サッカー選手、現役引退時の市場価値ランキング1~10位。様々な理由でスパイクを脱いだ男たち
9位:スティーブ・マクマナマン(元イングランド代表) 生年月日:1972年2月11日 引退年:2005年5月(33歳) 市場価値:580万ユーロ(約8.1億円) マイケル・オーウェンが「当時は彼を中心に成り立っていた」と語るほど、スティーブ・マクマナマンはプレミアリーグ初期のリバプールで中心的な存在となっていた。この頃チームとしてはあまりタイトル争いができておらず、マクマナマン自身もリバプールで獲得したタイトルはFAカップとリーグカップの2つのみ。それでも個人としては持ち前のスピードとテクニックで緩急自在のドリブルを武器に異彩を放ち、多くのゴールに絡んだことからサポーターから熱狂的な支持を集めていた。 リバプールで通算364試合に出場した後にマクマナマンはレアル・マドリードを新天地に選ぶ。加入初年度の1999/20シーズンにUEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝へと駒を進めると、67分にボックス手前からバレンシアを2-0と引き離すダイレクトボレーシュートを叩き込み優勝に大きく貢献。2001/02シーズンにもCLを制覇するなど、「白い巨人」で6つのタイトルを勝ち取った。 順風満帆なキャリアを歩んでいたマクマナマンだが、度重なる怪我の影響もあって本来持ち合わせていた輝きが徐々に失われる。2003年夏には補強の目玉としてマンチェスター・シティへと移籍したが、細かい離脱を繰り返して、チームも降格圏ギリギリの16位でフィニッシュと大苦戦。翌年はさらに出番を減らして、シーズン終了後に33歳でスパイクを脱ぐことを決断した。
8位:スティーブ・サヴィダン(元フランス代表) 生年月日:1978年6月29日 引退年:2009年7月(31歳) 市場価値::600万ユーロ(約8.4億円) 突如発表されたスティーブ・サヴィダンの現役引退はサッカー界を揺るがせた。2008年11月に30歳でフランス代表デビューを飾ったストライカーは、およそ半年後の2009年7月にユニフォームを脱ぐことを決断している。 デビューからしばらくの期間を3部でプレーしていたサヴィダンは、プロサッカー選手としては生活できなかったため、バーテンダーや廃品回収などの副業で生計を立てていたようだ。そんな苦労人は2006/07シーズンにリーグ・アンの選手にまで登り詰め、そこから3季連続で二桁ゴールを達成した。 この活躍から2008年11月にレイモン・ドメネク監督率いるフランス代表に初招集され、ウルグアイ代表戦で念願のデビューを飾った。そして2009/10シーズンの夏の移籍市場ではモナコへの移籍が決まり、キャリア初の名門クラブでのプレーとなるかと思われた。しかし、その際のメディカルチェックで心臓に問題があることが発覚。医者の助言を受けたサヴィダンはサッカー選手としてのキャリアではなく、自らの人生を生き抜くことを選び、わずか31歳で現役引退を決断した。当時の市場価値はキャリア最高額の600万ユーロ(約8.4億円)であり、これからという時期での引退となった。