海を見晴らす断崖の上に建つ〈アナンタラ コンベント ディ アマルフィグランド ホテル〉は、静寂と隠れ家の風情を漂わせる!
ギリシャ神話の英雄ヘラクレスが愛する妖精アマルフィを失い、この世で一番美しい地に埋葬するために切り開いたとされるアマルフィ海岸。しかし世界遺産の宿命か、夏のオンシーズンともなると、観光客がどっと押し寄せる。そんな中で静寂と隠れ家の風情を漂わせるのが、海を見晴らす断崖の上に建つ〈アナンタラ コンベント ディ アマルフィグランド ホテル〉。13世紀に建造されたカプチン派の修道院を丁寧に修復したヒストリカルホテルだ。
アイコンとなっているヴォールト(アーチ状の天井)の回廊や、大理石の祭壇とマヨルカ焼きタイル床の教会など、敷地内に残された歴史的ヘリテージは、ときの重みと静寂を感じさせる。 52の客室は、修道院や地元の職人の暮らしからヒントを得つつ、〈アナンタラ〉の贅沢なディテールを融合。たとえば“スイート デル プリオーレ”の部屋は、ベッドに横たわるとヴォールトの天井に描かれた美しいフレスコ画が目の前に広がる。この地の名産であるレモン畑の中に独立して佇むスイートもまた素晴らしい。 メインレストランの〈デイ カプチーニ〉は、“修道院のキッチン”をコンセプトに、敷地内のガーデンで採れた野菜やハーブを取り入れた季節料理を提供。もうひとつの屋外ピッツェリアではピザマスターであり、ナポリピザのアンバサダーでもあるジーノ・ソルビッロが、カンパーニャの“本物のピザ”を届ける。料理クラスも開催しているので、イタリア料理を習得するいい機会にもなりそうだ。 ほぼすべての客室、そしてふたつのレストラン、賞に輝くスパやジムからも、断崖の高い位置から地中海を望む。きっとこれが、英雄ヘラクレスがアマルフィに見せたかった景色。そう思うと、同じ絶景でも、ほんのりロマンチックなフィルターがかかって見えてくる⁉
客室の中にはテラスにジャグジーを置いたタイプも。彼女と泡に包まれながら眺める地中海は至福!?
ヴォールトが印象的な客室。自然がもたらす建材を使い、ナチュラルなトーンでまとめられている。