侍ジャパンの戦いを鹿取義隆さんが占う、ユーティリティーそろう内野の強み…13日にプレミア12初戦
野球の日本代表「侍ジャパン」が13日に国際大会「ラグザス プレミア12」1次ラウンド初戦のオーストラリア戦を迎え、大会2連覇をかけた戦いが始まる。第1回プレミア12と第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表の投手コーチを務めた鹿取義隆さん(元巨人、西武)が侍ジャパンの戦いを展望する。(デジタル編集部) 【図】一目でわかる…プレミア12・日本代表「侍ジャパン」の日程
週末に行われたチェコとの強化2試合を見た。投手は状態が良くなってきた。実戦から遠ざかっていた選手もいたが、投げるうちに感覚を取り戻していた。打者は初見(しょけん)の球の速い投手に対応できていなかったが、目が慣れてきて簡単に対応できるようになったあたりは日本の野球のレベルの高さだ。それぞれが、自分のやるべきことを理解して打席に立っている。
球数制限ないが、リリーフ陣もバランス良し
先発陣は戸郷翔征(巨人)、高橋宏斗(中日)、才木浩人(阪神)、13日の初戦に先発予定の井上温大(巨人)、あとはチェコとの第2戦で先発した早川隆久(楽天)、北山亘基(日本ハム)といる。
WBCと違って投手の球数制限がない大会だ。先発の調子が良ければ長く投げさせる。5~6イニングを間違いなく投げてくれれば良いが、そうならなかった時のために「第2先発」も用意しておかなければならない。リリーフする最初のイニングがちょっと心配だが、投げ始めれば問題はないと思う。相手打者が右か左かにもよるが、左腕の隅田知一郎(西武)もいる。誰を後ろに回すかが課題となる。
中継ぎは連投がしんどくなるが、メンバーはそろっている。右3枚、左2枚とバランスがいい。今年からリリーフに転向した藤平尚真(楽天)はすごく内容が良くなった。球速も速くなり、自信をもって投げているのがいい。クローザーは大勢(巨人)で決まりだろうが、右のサイド気味からくる強いボールは初見のバッターでは簡単には打てない。
ピッチクロックが採用され、走者なしで20秒。慣れていくしかないが、普通のテンポで投げれば意外と長い時間だと思う。