池田屋事件で名を馳せた記憶 東海道、中山道の合流・分岐点の宿場町に残る面影 誠の足跡 新選組を行く
「壱番間は新選組幹部が泊まった部屋とみられ、大福帳に名前があった土方ら4人のうちの誰かの忘れ物の可能性が高い」。岩間一水館長はこう話す。
新選組の煙管入れだけでなく、明石藩(兵庫県)の家臣が風呂場に忘れた「守袋(まもりぶくろ)」や、大洲藩(愛媛県)の姫の随行者の携帯用筆記用具「矢立(やたて)」なども見つかった。いずれも付箋から判明しており、岩間館長は「持ち主に返せるよう、記録とともに些細(ささい)な品でも残している。現在の忘れ物センターのルーツのようなものだ」。大福帳も付箋も当時の当主の筆によるものとみられており、「新選組の忘れ物はロマンをかき立てられる。それも、当主のマメな仕事ぶりのおかげです」と語った。(池田祥子、写真も)