鹿島の一部サポがコロナ禍ルール違反“暴走”で波紋?!
浦和レッズの一部サポーターによる声出し応援が問題視されたJリーグで、今度は鹿島アントラーズの一部サポーターが起こした行為が波紋を広げている。0-0で引き分けた10日の北海道コンサドーレ札幌戦後に、数人の男性サポーターがマスクを外した状態で挨拶に来た選手たちを大声で罵倒し続けた。Jリーグが定める新型コロナ感染症対応ガイドラインに明らかに違反する行為に対して、11日の段階で鹿島から声明は出されていない。
札幌戦がスコアレスドローに終わり一部サポがマスクなしで罵声や怒声
鹿島の一部サポーターによる違反行為は、敵地・札幌ドームに乗り込むも札幌とスコアレスドローに終わった、10日の明治安田生命J1リーグ第21節後に起こった。 はるばる札幌まで応援に駆けつけてくれたファン・サポーターへ挨拶しようと、鹿島の選手たちがゴール裏のスタンド近くへ足を運んだ直後だった。 ゴールライン際で頭を下げて一礼した選手たちへ、終わったばかりの90分間をねぎらう拍手に混じって罵声が浴びせられた。発信源だった数人の男性サポーターはマスクを外しているか、あるいはあごに引っかける形で下げた状態だった。 これにDF安西幸輝(27)が応戦する。右手に持っていたペットボトルをおもむろに前方へ放り投げ、男性サポーターたちへ反論しながら数歩前へ出ていく。キャプテンのDF三竿健斗(26)が慌てて安西を制止し、胸元を突き飛ばして強引に遠ざけた。 しかし、安西の行動に対して、一部サポーターもスタンドの最前列でさらにヒートアップ。体を乗り出し、身振り手振りを交えながら大声をあげ続け、なかには上半身裸の男性もいた。FW染野唯月(20)やDF関川郁万(21)ら後輩選手たちになだめられていた安西も再び何かを言いかけたが、三竿に今度は口をふさがれた。 選手が挨拶した場所とスタンドとの間には距離があり、さらにスタンド自体も高い位置にあるため、一触即発の雰囲気は周囲を騒然とさせただけで収束した。その場には三竿や守護神クォン・スンテ(37)らが残り、不穏な空気を必死に鎮めていた。 しかし、一部サポーターがマスクなしで罵声や怒声をあげ続けた、Jリーグが定める新型コロナウイルス感染症対応ガイドラインに違反する行為は、すべてDAZNで配信されていた。さらにゴール裏に陣取っていたファン・サポーターが撮影したと見られる動画と合わせて、ネット上へも投稿されて大きな批判を招いている。 鹿島のレネ・ヴァイラー監督(48)はフラッシュインタビューで9試合ぶりの無得点と、3-3だったセレッソ大阪との前節に続くドローをこう振り返っている。 「3失点した前節から、失点はしないというところは修正できた。しかし、ストライカーが不在のなかで得点を決めることに、チーム全体で取り組んだができなかった」 10ゴールでJ1の得点ランキングの首位に立っていた、日本代表FW上田綺世(23)がベルギーのサークル・ブルージュへ旅立って3試合目。札幌戦ではさらに体調不良を訴えたFW鈴木優磨(26)を、累積警告による出場停止以外で初めて欠いた。 最後まで攻撃の形を作れなかった鹿島のシュート数は、前後半を通じてわずか5本だった。そのなかで2本を後半11分から途中出場し、サイドバックではなく左サイドハーフでプレーした安西が放ったが、ともにゴールの枠を大きく外れていた。 その後に首位の横浜F・マリノスも引き分けたため、2位の鹿島との勝ち点差は5ポイントのまま保たれた。ただ、リーグ最多の36失点を喫していた札幌を攻めあぐね、勝てなかった瞬間に、目標として掲げるリーグ戦のタイトル奪還がさらに遠ざかってしまうと一部サポーターが憤り、試合後の行動につながったのだろう。 しかし、悔しい思いを抱いている状態は選手たちも変わらないし、たとえ数人だったとはいえ、マスクなしで罵声を浴びせ続けた行為はもちろん正当化されない。しかも映像にしっかりと収められていた以上は、今後において問題視される可能性が高い。